豊洲新市場 地下水噴出に衝撃走る 市場関係者、共産党 「最優先で調査を」


都議会第3回定例会の各派代表質問(9月26日)と一般質問(27日)が行われました。日本共産党から代表質問に立った、とくとめ道信都議は、都民の暮らし・福祉や営業にかかわる都政の重要課題を取り上げ、小池百合子知事をただしました。開場が目前に迫る中でも重大問題が相次ぐ豊洲新市場問題を追及し、移転中止を迫りました。
 
都議会 とくとめ都議代表質問

豊洲新市場をめぐり、また衝撃が走りました。新市場の水産仲卸売場棟(6街区)北側のマンホールの穴から地下水があふれ出たのです。日本共産党のとくとめ都議の代表質問で、都中央卸売市場の村松明典市場長が認めました。
 
この事実は市場業者から日本共産党議員団への連絡で分かりました。マンホールの穴から、噴水のように地下水があふれ出る様子を映した動画もインターネット上に公開されています。豊洲新市場の地下水は環境基準を超えるベンゼンやヒ素などの有害物質が検出されており、地下水管理システムで処理したうえで、下水に流しています。
 
ところが、あふれ出た水は、管理システムで処理する前の地下水。それが地上に噴出するなど、あってはならない事態です。動画には「なんか臭いよね」「濁っていそうな」「白い(粉状の)ものが混ざっている」といった音声も。
 
とくとめ都議は代表質問で、この問題を追及。全容と原因を明らかにし、水が汚染されていないかを調査するよう求めました。村松市場長は、この事実を認めた上で、原因について、地下水管理システムの送水管の中から空気を抜くための弁に付着物が挟まったために、水があふれたと説明。汚染の可能性については、通常の地下水調査で下水への排水基準は超えていないので影響はないとして、調査する考えはないとしました。
 
動画は10月1日現在、7万6000回以上も視聴され、動画を見た人が「食品を扱う市場で、これは最悪でしょう」「安全を宣言した人に検証してもらわないといけない」などといった不安の声を書き込んでいます。
 
建築エコノミストの森山高至氏は「今回のような事態は他の井戸でも起こりうることです。あふれた地下水は処理前の水で、開場条件が破綻している。現状調査を最優先に行うべきだ」と話しています。
 
相次ぐ重大問題
「農水省の認可書が交付されても、何も解決していない。豊洲移転、築地市場の解体は中止せよ」。とくとめ都議は、開場(10月11日)目前の豊洲新市場で相次ぐ重大問題を取り上げ、移転中止を迫りました。
 
敷地内で地盤沈下によるひび割れが十数カ所も起きていたことも、市場関係者の不安と不信を招きました。都の市場当局は1年前から事実を把握していながら、市場業者にも専門家会議にも、認可申請した農林水産省にも公表してこなかったのです。
 
土壌や建築の専門家からは原因の科学的究明を求める声があがり、市場業者からは「本当に大丈夫なのか」という不安の声が広がっています。しかし、小池知事は所信表明でこの問題に一言も触れることはありませんでした。
 
とくとめ都議は「説明責任を放棄したことは、驚くべきこと」だと、小池知事を批判。地盤沈下を起こすような軟弱地盤では、直下型地震があれば大規模な液状化が起きると考えるのは当然だと強調。地盤沈下の範囲や進み方の正確な把握、ボーリング調査による地盤の状態の確認など、科学的調査による原因解明を要求。知事の考えを問うとともに、市場業者への謝罪を強く求めました。
 
小池知事は沈下は「時間の経過とともに収束する」と根拠も示さずに断定し、「調査する考えはない」と答弁。謝罪もありませんでした。
 
とくとめ都議はさらに、7月に発表した地下水調査で環境基準の170倍の発がん物質ベンゼンや検出されてはいけない猛毒のヒ素が検出され、降雨による地下水上昇があるなど、追加対策でも「安全」の根拠はないと指摘。「偽りの『安全宣言』は撤回すべきだ」と迫りました。
 
小池知事は正規の会議も開かずに出した専門家会議の「安全」との評価を根拠にあげるだけでした。そのため、とくとめ都議は再質問で「なぜ地盤沈下は収束すると言えるのか、安全性に問題が生じないと断言できるのか」と再度、根拠を示すよう要求。「重大な地盤沈下が起こった場合、どう責任を取るのか」と迫りました。小池知事は同じ答弁を繰り返しただけでした。
 
とくとめ都議は新市場の移転中止を求める署名の広がりや、市場業者による移転差し止め訴訟などをあげ、「市場業者や都民の合意が得られていないことをどう認識しているのか」と追及。知事が「築地女将さん会」の公開質問状を無視し続けていることや、仲卸業者の不安の声に触れ、「この思いにどう応えるのか」とただしました。

小池知事は「多くの市場業者や都民の皆さまの理解をいただけた」「(業者に)真摯に向き合ってきた」と強弁しました。