実効性 なお疑問/組織委幹部「完全に徹底できない」

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五輪コロナ対策規則集3版

東京五輪・パラリンピック組織委員会は15日、新型コロナウイルス感染拡大防止のための規則集「プレーブック」第3版(アスリート、チーム役員向け)を公表しました。違反した選手らに対する「厳罰」を盛り込んだほか、毎日のコロナ検査の手順などもより詳細に記しました。しかし実効性をどう担保するのか、なお疑問は残ります。(五輪問題取材班)


プレーブックは国際オリンピック委員会(IOC)などとの共同作成。初版が2月、第2版が4月に公表されました。「次は最終版」としていましたが、今後も直しがありうるとして「第3版」としました。

選手らが、事前に登録した施設しか原則訪問できないことや、観光地やレストランにも行けないことなどは従来と変わりません。さらに「一緒に過ごせるのは、自国出発前にリストアップした『接触相手』とだけ」という文章を追加するなど、対策強化を強調します。

また規則違反に対する罰則として、「警告」「登録の停止・取り消し」「参加視覚のはく奪」「金銭的制裁」を列挙。このほかに、「(日本)滞在許可の取り消しなど、厳格な行政措置を受ける堤合がある」とも記しました。

15日夜の会見では、「メダルを取った選手が後でルールに達反した堤合、メダルをはく奪するのか」という趣旨の質問が出ました。

リモートで出席したIOC幹部は「具体的に話すのは避けるが、選手らはルールを破るために日本に行くわけではない」と発言。「(制裁については)懲戒委員会が判断するが、ごくごく少数のケースであることを望む」と言葉を濁しました。

第2版と同様に、各国・各団体が任命した「新型コロナウイルス対策責任者」(CLO)が、メンバーに「プレーブックを順守させる責任を負う」とします。第3版では、CLOが毎日決まった時間に選手らの唾液検体を回収し、検査のために組織委側に提出するなどの手順を説明しています。

チームの一員であるCLOがルール順守の責任を負う点について、身内の違反行為を故意に見逃すおそれを指摘する質問もあり、組織委幹部が「CLOが違反行為を完全にブロックすることは難しい」「完全に徹底させることはできない」と答える場面もありました。

(2021年6月17日付「しんぶん赤旗」より)