知事選 討論会で対決くっきり

 都知事選(7月5日投票)で、候補者による討論会が6月27日と28日、インターネット上で開かれました。新型コロナ対策をはじめ、都政のさまざまな課題をめぐり論戦が繰り広げられ、日弁連元会長の宇都宮けんじ氏と、小池百合子都知事の間で、政策や政治姿勢の違いがくっきりと表れています。

 討論会は、27日は映像制作などの有志グループ「ChooseLifeProject」、28日は東京青年会議所がそれぞれ主催しました。27日は宇都宮氏、小池氏、れいわ新選組の山本太郎氏、日本維新の会が推薦する小野泰輔氏が参加。28日はこの4氏を含む7氏が参加しました。また、27日の討論では、用意された10の質問に各候補が回答したうえで議論しました。
 最大の焦点となっている、新型コロナ対策をめぐって、小池氏は、「感染者の抑え込みはうまくいっている?」の質問に「「もちろん」と言って「〇」と回答。「都民の命を守り、稼ぐ東京をつくっていく」などとして、都の対策を誇りました。
 宇都宮氏は東京五輪の延期決定まで、PCR検査数がほとんど増えなかった小池都政の初動対応を批判。「東京アラート」の解除後の方が、感染者が増えているとして、都の対策の基準が不明確で都民に混乱と不安を生んでいると指摘しました。
 今後の感染拡大に備えた方策でも、両者の違いは明確です。
 小池氏は、「東京版CDC(米疾病予防管理センター)」を創設するとしたものの、センターがどんな機能を担うのかなど、具体的なことはほとんど示しませんでした。コロナ対策の最前線に立った、都立・公社病院を民営化に近い地方独立行政法人化する計画について、「〇」と推進姿勢です。
 宇都宮氏は、歴代の都政が削減を進めてきた保健所について、増設して充実、強化すると表明。都立・公社病院独法化も、きっぱりと反対を表明しました。PCR検査は、経済再開と感染拡大防止を両立させるカギだとして、大幅拡大を提起しました。
 さらに、都が対策を進める財源について、都が特定目的で蓄積している基金を条例改正して活用することや、不要不急の大型事業を見直すことなどで3兆円規模のコロナ対策の基金を確保すると裏付けを示しています。

人権めぐっても

 人権をめぐるテーマでも、両者の対決点がくっきりと表れています。
 同性のカップルに自治体が証明書などを出す「同性パートナーシップ制度」を都として導入することについて、小池知事は否定的な立場を表明しました。
 宇都宮氏は「当事者との対談で、渋谷区や世田谷区などに制度ができたが、他区に引っ越すと保障がなくなってしまうとして、『東京都こそ、制度をつくってほしい』という訴えを聞いた」と紹介し、導入を目指すことを表明しました。特定の人種や民族への差別をあおるヘイトスピーチの禁止条例についても、宇都宮氏が前向きな姿勢を示したのに対し、小池氏は反対しました。
 小池知事の公約をめぐっても議論となり、宇都宮氏が小池氏に、豊洲市場で、多くの仲卸業者が、顧客が減って厳しいとの訴えを聞いたとして、「豊洲移転は良かったのか。築地を守る約束はどうなったのか」と質問。小池氏は、公約破りへの反省も示さず「築地を守る、生かすことは当然。引き続き行う」などと答えました。