コロナ危機から都民の命と暮らしをどう守るのかを最大の争点にたたかわれた都知事選が5日投開票され、市民と野党の共同候補で、日本弁護士連合会元会長の宇都宮けんじ氏(73)=日本共産党、立憲民主党、社民党、新社会党、緑の党が支援=は、84万4151票(得票率13・76%)を獲得し、大健闘しましたが、及びませんでした。当選は自民党、公明党が実質的に支援した現職の小池百合子氏(67)でした。投票率は55・00%(前回59・73%)。

「都政の争点、明らかに」

 開票結果を待つ宇都宮事務所には、20枚を超える野党各党や無所属の国会議員からの必勝の「為書き」、宇都宮さんと同期の弁護士からの寄せ書き、市民団体からの似顔絵入りの横断幕など、応援のメッセージが壁一面に貼られていました。
 「小池氏当選確実」が報じられると、宇都宮さんと選対幹部が記者会見を開きました。
 宇都宮さんは「多くの都民の期待にこたえたかったが、実現できず残念だ。さまざまな政党や国会議員、地方議員、市民から大きな支援があったからこそ、17日間たたかって来られた」と感謝を表明。「コロナ対策、五輪招致、カジノ誘致など、さまざまな都政に関する争点を明らかにすることができた。ただ、争点を伝えるのにもっとも有効なテレビ討論が、一度も行われなかったことは残念だ」と語りました。
 さらに、「コロナ危機のなか、生活と命を脅かされている国民の実態と、政治の取り組みのギャップがあまりに大きい。都民、国民の声がもっと、都政や国政に届いてほしい」と語りました。

野党が心ひとつに

 都知事選では、宇都宮氏を、広範な市民と、日本共産党、立憲民主党、社民党、新社会党、緑の党が応援しました。自主投票とした国民民主党からも原口一博、小沢一郎両衆院議員、さらに野田佳彦前首相、岡田克也前副総理らも応援に入りました。
 事務所に駆け付けた国会議員が花束を渡し、宇都宮氏をねぎらいました。
 立憲民主党都連幹事長の手塚仁雄氏は、「宇都宮さんという立派なリーダーのもと、野党が心ひとつにたたかえた。野党の共闘が深化した選挙だった」とあいさつ。日本共産党の小池晃書記局長は「宇都宮さんが勇気を振り絞って立候補してくれたことが、どれだけ都民に希望を与えたか、本当に感謝したい。日々、宇都宮さんへの支援が広がり、都政の課題も明らかになった選挙戦だった。野党の本気の共闘が大きく広がる選挙だった」と感謝を語りました。
 続いて、支援者から花束を受け取った宇都宮さんが、「私の方こそ、市民のみなさん、政党のみなさんに花束を渡さないといけない」と応じると、集まった人たちが拍手で応じました。
 都内25の小選挙区すべてに市民選対がつくられ、共闘の輪が大きく広がったことについて、海渡雄一選対本部長は「初期にこそ、政党と市民団体の意見の違いなどもあったが、急速に心が一つになってたたかえた。野田元首相の街頭演説など、どんどんウイング(翼)が広がっていった。この選挙戦をやって本当によかった」と振り返りました。