「希望語る」訴え 磨いていきたい
 ―今回、共産党は「暮らしに希望」の政策を打ち出しました。
 吉良 希望の政策を訴えるというのは、すごく大切でした。ただ、最初は私自身、戸惑いがあって…。
 これまで、演説というと8割方は政権への批判や、悪政の告発が中心でしたから。公式PV(プロモーションビデオ)や政見放送を作ってくれた、これまで共産党とあまり接点がなかったスタッフの人たちからも、「『安倍政権を倒す』みたいな言葉は極力使わないで」と提案されました。でも、希望だけを語って、本当に伝わるのか、どうすれば現実的な提案だと受け取ってもらえるか、納得いく訴えになるまで、四苦八苦しました。
 小池 一握りの安倍首相の妄信的な支持者以外、大多数の人は、今の政治が良いとは思っていないんですよね。良いとは思わないけど、変わらないんじゃないかとか、野党にはその力がないんじゃないかと思っている。そこに、「安倍政治はだめだ」というだけでは、「じゃあどうするの」となるだけです。「どう変えるんだ」と訴えることが大事だと、今回取り組みました。
 吉良 実感したのは、政策の展望、希望を語ると、今の政治への批判は、必ず浮き彫りになることです。さらに、実際に動かしてきた共産党の実績があること、それができたのは、やっぱりあなたの声、市民の声があるからなんだと訴えたことが、共感を広げ、共産党への期待の輪を広げたように思います。なにより、批判より希望の方が耳を傾けてもらえる。さらに磨いていきたいと思います。
 小池 政策の面では、今回、ジェンダー(社会的・心理的な性的区別)の問題を政策の柱に置きました。大事な問題だということで取り上げたんだけど、ここまで反響が広がるとは思っていませんでした。
 吉良 選挙中、同世代前後の、女性の反応がすごくよかった。ジェンダー政策を柱に据えて訴えて、自民党議員の「LGBT生産性ない発言」など、個人の問題に踏み込む発言に対して、「自分の人生は自分が決める。十人十色の人生に寄り添う政治が必要ではないか」と訴えると、足が止まるんです。党首討論の際、選択的夫婦別姓の問題で、安倍首相だけが手を挙げなかった。あれも衝撃的でした。
 小池 街頭でジェンダーを柱に訴えて、どこまで幅広い人に受け入れられるのか、不安もあったんですが、すごく関心が高いし、問題意識を持つ人が多いことを実感しました。消費税や憲法、年金の問題と並んで、この問題は短くても演説に入れようと位置付けました。
 すごく大事なテーマだし、選挙にとどまらず、共産党の取り組みの大きな柱の一つにすえなくてはと思っています。


決意や覚悟に ネットで反響
 ―ネット選挙をめぐっては、ツイッター(短文投稿サイト)で、小池さんの年金問題の追及の動画が700万回を超える再生になりました。
 小池 実は、あの動画を作成した人は、「別班マン」というツイッター上の名前でしか知らないんです。知らない間に作ってもらった動画が、反響を呼び、驚きました。
 吉良 今回の選挙では、字幕つきの1分前後の短い動画が、大きな反響を呼んだと思います。私も政策の公式PVはもちろん、選挙活動の合間の姿をとった「吉良オフ動画」などを発信しました。年金問題の小池さんの動画のように私の国会質疑のダイジェストも好評でした。これまで、なかなか多くの人には伝えられなかった国会質疑の様子が、動画を通じて有権者に届いたと思います。本番中のスピーチなども、さまざまな方が撮影し編集してくれたのも嬉しかったです。
 ―(動画共有サービスのユーチューブで発信する)「ユーチューバー小池晃」も話題です。
 小池 街頭でも「見てますよ」という声が結構かかるんです。選挙戦最終盤には「この国に生きるあなたへ」と題して、「こんな社会でよいのでしょうか」と私の思いをぶつける動画を作り、かなり再生されました。大阪のたつみさんの涙の訴えの動画(※注)があったように、その人の覚悟とか、決意がほとばしるもの、人間性が映し出されるものが、ネットでは響くのかなと思います。
 ─北区の赤羽で小池さんがお店をまわり「はしご酒」する動画も反響が大きいです。
 小池 あれも結構、見られていて…。(落語家の)立川談四楼さんに、「赤羽、面白かったね」って言われて、今度は、談四楼さんの地元の下北沢で、やろうかって相談しているんです。この分野は、挑戦中で、いろいろなことをやっていきたいですね。
 吉良 たつみさんの涙の動画は、東京でも話題で、「政治家なんて血も涙もないと思っていたけど、あんな人もいるんだと感動した」と街で出会った若者が語ってくれました。JCPサポーターの参院選に向けた会議でも、政策を訴えるのも大事だけど、政治家一人ひとりの個性とか、人間性を伝えてほしいという声が出ていました。ユーチューバー小池晃とか、吉良オフ動画、辰巳さんの涙の訴え、そういったもので、共産党の候補者の個性や思いが少しずつ伝わったのではと思います。

 注 たつみさんが街頭で聴衆から、「6年間200回の質問で一番、印象に残ったのは」と尋ねられて、千葉県銚子市の母子心中未遂事件についての質問をあげた様子を映した動画。わが子に手をかけなくてはいけなかった母親の心中を思って、たつみさんが涙し、「こういう思いをさせないために政治はある」べきだと訴える姿が90万回以上再生された。

つらい思い抱えた 多くの人たちが
 ―小池さんは、東京での吉良さんの選挙戦にどんな感想を持っていますか。
 小池 訴えがすごく街に浸透していくのを実感しましたね。反応があたたかく、共産党、吉良さんに対して、好意的に見ていることを感じます。6年間、吉良さんが頑張ってきて、東京の政治家として認知されてきているということでしょう。
 ―勝手連のキラキラサポーターズなどの支援の輪も広がりました。
 吉良 キラサポの人たちと取り組んだ、夜8時以降の駅前などでの、「こんばんは宣伝」はすごくよかったですね。通る人と目が合ったら、とにかくダッシュして握手して対話する、みたいな感じでやったんです。
 最初は、「選挙?何?」みたいに冷たい反応だったのが、回を重ねると対話になっていきました。高校生と「私の地元の最賃、安すぎる~」みたいなところから話が広がったり、サラリーマンの人たちに「給料アップします」と声を掛けたら、「頑張ってください」と言われたり。普段、街頭でマイクを握るだけでは主張を伝えられない人たちと、触れ合って声を聞くことができる場でした。
 小池 キラサポの人たちがいると、独自の横断幕が出たり、宣伝が明るくなりますね。明るく楽しく選挙をやっていることは、有権者に伝わります。
 吉良 「多くの声を聞いた選挙」という点では、各地で訴えに足を止めてくれた人たちと話すと、いまの社会のなかで、つらい思いを抱えて、それを誰にも言えなくて、という人が本当にたくさんいることを、改めて強く感じました。そういう人たちに、少しでも私の言葉なり、共産党の政策が届き、希望になったのなら、と思います。
 小池 吉良さんが演説で使っていた「あなたの声を政治に届け、政治を動かし、社会を変える、共産党の議席」。この訴え、なかなか良いよね。
 吉良 やった(笑)。最後、小池さんも使っていましたよね。
 小池 何度か一緒に演説するうちに「なんかこれ良いな」って。政治を変える、だけではなく、「政治を動かし、社会を変える」というところが、吉良さんのやってきた仕事を象徴しているし、同時に、共産党の仕事はそういうものでもある、と。
 吉良 ある大学生が応援スピーチで、「社会なんてよくならないと、ずっと人生をあきらめてきたんだ」と話してくれました。「そんな僕に、ほんのちょっと、税金の使い方を変えれば困難は取り除けると示してくれたのが、共産党であり、吉良さんなんだ」と。
 あきらめさせられている社会を、あきらめなくてよい社会にする。それが共産党の議席です。いま困難を抱えている人たちの声なき声を、本当に政治に届けなくてはいけないと思います。

「34人の議員団」と いえる団結で
 ―臨時国会も開かれました。改めて決意を。
 吉良 初当選以来、声を届け続けた6年間でしたが、さらにまた、たくさんの声を聞かせてもらったので、それを一つひとつ政治に届けないといけないし、社会を変えるところまでつなげていきたいと思います。
 給料をアップしてほしい、さまざまなハラスメント(いやがらせ)の問題をなくしてほしいなど、一つ一つの声に全力で、みなさんと力をあわせて取り組みます。引き続き文教科学委員会を担当するので、学費や奨学金、ブラック校則の問題に取り組みたいと思います。
 小池 憲法審査会で3議席を得て、吉良さん、同じく東京選挙区選出の山添拓さん、そして山下芳生さんが入ることになりました。憲法をめぐっては、安倍首相が今回の選挙で「議論を進めることに信認を得た」と言っています。3分の2を阻止し「改憲ノー」が今回の民意であり、首相の妄想でしかありません。
 吉良 選挙中、「今の憲法を今のままで、子どもたちの世代に渡したい」と訴えました。全力で頑張りたいと思います。
 小池 憲法については、自分たちが立てた衆院議長を、首相側近の萩生田光一さんが変えると言い出した。完全に行き詰まった改憲に、とどめを刺すたたかいが必要です。
 もう一つは消費税で、安倍政権が10月増税を強行しようとしてくるでしょう。日本経済を破滅させないため、何としても増税をストップさせなくてはいけません。まずは、この二大課題ですね。そのためにも野党の共闘をさらに強めたい。
 今回、10人の野党統一で当選した議員が加わり、3年前と合わせて21人、共産党が応援して当選した議員がいるわけです。共産党の議員団13人と合わせて、34人の議員団、そういえるくらいの団結でたたかっていきたい。また、れいわ新選組という新しい政治集団が加わりました。いろんな形で連携していけると思っています。
 ―楽しみな国会ですね。
 吉良 最賃アップの申し入れ、羽田飛行ルート反対の申し入れなど、さっそく動いています。
 小池 面白い国会にするため、いろいろな行動に取り組んでいきます。