国立劇場 閉鎖3年で市民団体要請
吉良氏「演者、市民と力合わせ」
日本伝統芸能の殿堂とも言われる国立劇場(千代田区)が2023年10月末に閉場して3年近くがたった今も、再開のめどが立たない問題で「国立劇場の早期再開場を求める会」は16日、国会内で、日本共産党の吉良よし子参院議員と懇談しました。

国立劇場は歌舞伎、文楽、日本舞踏、雅楽、邦楽、演芸など伝統芸能の公演、継承と人材育成の拠点として、民間では実現困難な国立ならではの事業に取り組んできました。政府は「開場から60年近くが経ち、老朽化が進むとともに、設備の在り方自体も時代に合わないもの」になったとして、20年に再整備を決定。
文化庁や日本芸術文化振興会などでつくるプロジェクトチーム(PT)は巨額の費用を賄うためとして、民間の資金やノウハウを生かすPFI方式を導入し、民間が建設・運営するホテルなどの収益施設を併設する計画としました。
ところが建材資材や人件費が高騰する中、事業者を決める入札が22年、23年の2度不成立となり、今も決まらずにいます。PTは、会場予定を当初の29年度から33年度に4年先延ばしせざるを得なくなりました。
この事態に、日本芸能実演家団体協議会は「伝統芸能創造と継承に致命的な打撃を与える」、日本舞踏協会は「コロナ禍に続く打撃」など、伝統芸能団体は危機感を強めています。
計画を見直して
求める会は、貝谷真由美さんら6人が訪問。メンバーからは「閉場中でも劇場が使えないか専門家の意見を聞いて明らかにさせてほしい」「国が責任をもって整備すべきで、PFI方式には反対。計画を見直してほしい」「文楽の世界にひかれた私にとって国立劇場は大切な場所。飲食施設は必要ない」「劇場の前庭の手入れがされていない。雑草が目立ち国立劇場として恥ずかしい」などの意見が相次ぎ、早期再開場への協力を求めました。
吉良議員は劇団から困っている声を直接聞き、質問(4月2日)で取り上げ、劇団や演者、関係者への支援を求めたと紹介。「開場が遠のくことで、劇団が消滅することがあってはならないし、国民が伝統文化に触れる機会が奪われることもあってはならない。劇団や演者側も観る側も伝統文化を守りたいという思いは一致している。一緒に声を上げ、早期再開場に向けて力を合わせたい」と述べました。
同会は「シンポジウム 国立劇場の早期再開場へ向けて」(8月9日午後1時、日比谷図書文化館)の参加を呼びかけています。
早稲田大学演劇博物館の児玉竜一館長、神奈川大学建築学部の松隈洋教授が基調講演。シンポジウムは両氏に加え、歌舞伎俳優の中村萬壽、歌舞伎義太夫の竹本葵太夫両氏が出演を予定しています。資料代500円。ウェブからの要予約(QRコード)。

