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原発事故は史上最悪の公害 国免責の最高裁判決を正せ

 未曽有の被害を生んだ東日本大震災(2011年3月11日)とその後の福島原発事故から、15年が経ちました。福島などの被災地にはいまも多くの人が帰還できず、原発事故被害の補償を求めるさまざまな裁判がたたかわれ続けています。「ノーモア原発公害市民連絡会」の代表世話人の一人で、日本環境会議理事長の寺西俊一氏(一橋大学名誉教授)に、原発事故の教訓と15年後のいま、問われていることを聞きました。

東日本大震災15年編集長インタビュー
一橋大学名誉教授 寺西俊一さんに聞く

 ―東日本大震災と福島原発事故から15年です。
 福島県内だけで16万超の人々が避難を余儀なくされ、現在も数万人が避難を続けています。首都圏など福島県外からも、自分や子どもを守るために、避難せざるを得なかった人々が多くいました。
 福島県飯館村に住み、放射線量を測り続けている伊藤延由氏が公開しているデータでは、飯館村の山で取れる食用キノコ(マツタケ)の放射線量は、現在でも1キログラムあたり4万1574ベクレルで、食べても安全とされる100ベクレルの400倍を超えています。15年たっても、これだけの被害が続いています。私は、公害の研究を専門としてきましたが、福島原発事故による「原発公害」は歴史上、最大、最悪の公害だと言って、間違いありません。
 2023年11月には、「ノーモア原発公害市民連絡会」を立ち上げました。事故から12年を経て発足させたのは、2022年6月17日に出された、原発事故をめぐる最高裁判決があまりにひどいものだったからです。
 判決は、原発事故を防ぐために規制権限を行使すべきだった国の責任を一切、否定し、免責してしまいました。その後の原発裁判の地裁や高裁の判決は、ほとんどがこの最高裁判決をコピー&ペーストして、国の責任を免責するものとなっています。この最高裁判決を、何としても正すことを、市民連絡会の当面の焦点として活動しています。

重大事故が簡単に
 ―原発事故を振り返って感じることは。
 原発事故で何が起きたのか、その後に分かったことも含めて事実をきちんと見ることが大切です。
 事故は、原発がすべての電源を喪失したことを根本原因として発生しました。地震によって、送電用の鉄塔の一つが倒壊し、5号機と6号機が外部電源を失いました。1〜4号機も、送電線の断線や関連設備の故障で外部電源を失います。こうした外部電源喪失の際に機能するはずの非常用電源(ディーゼル発電機)は、海岸線側の地下に置かれていて、水没して機能しませんでした。
 1〜4号機は、海水をくみ上げるコストを節約するために、もともと30メートルあった高台をわざわざ20 メートル削って、海抜10メートルの位置に建てられました。ここに15メートルの津波が押し寄せたことで、非常用電源が水没しました。こうした恐れをわかっていながら、放置してきた東電と、対策を取らせてこなかった国の責任が、厳しく問われる必要があります。
 重要なのは、原発は一見、高度な技術の集積に見えますが、実は地震以外の災害でも、電源が失われて、冷却水が断たれれば、すぐにでも深刻な事故を起こすということです。関西電力の二つの原発の再稼働差し止め判決を下した、元裁判官の樋口英明氏は、「深刻な原発事故は、いとも簡単に起こることを、福島事故は示している」と鋭く、指摘されています。
 こうした原発を、世界でもっとも巨大な地震が頻発している、地震大国の日本の沿岸に、54基も設置してきた。それ自体が、大きな誤りですし、それこそが福島原発事故の最大の教訓です。

原発は三欠の電源
 ―国も電力会社も原発再推進を強めています。
 原発は、安全性も経済性も将来性も欠如した、いわば「三欠電源」です。安全性という点では、先ほども言ったように地震などで電源を失えば、深刻な事故がすぐに起きてしまいます。発電コストも、再生エネルギーなどよりはるかに高額で、経済性はありません。使用済み核燃料の処分方法はいまだに確立しておらず、将来性もありません。
 しかし、原子力発電の利権集団である「原子力ムラ」によって、原発再推進へと世論がたくみに操作されています。
 2025年3月に公表された日本世論調査会による、全国の男女3千人への調査によると、原発を「今すぐゼロに」が4%、「将来的にゼロに」が58%に対して、「新しい原発をつくるなど将来も活用」が36%ありました。将来も活用という人の8割が、その理由を「電気が十分にまかなえない」からとしています。
 4割近くの人が、「電力不足の恐れ」から原発が必要と考えている世論の状況もしっかりと見据えて、「ノーモア原発公害」「原発ゼロ社会」の実現への取り組みを積み上げていくことが、求められています。

最高裁を取り囲む
 ―ノーモア原発公害市民連絡会では、最高裁判決が出された6月17日の前後に、最高裁を取り囲むヒューマンチェーンに取り組んできました。
 最高裁を取り囲むには、およそ1000人が必要です。2024年の最初のヒューマンチェーンは、1000人の参加がありました。2025年は1200人に増えました。今年は6月15日月曜日に開催の予定です。15年の節目の年でもありますし、ぜひ多くの参加をお願いします。
 原発事故をめぐる最高裁判決を見直して、国の責任をきちんと問う、まっとうな判決を出させることが、行動の最大の目的です。同時に、原発再推進を含めて、高市内閣がさまざまな暴走を続け、国会も自民党が衆院の7割近い議席を得たもと、三権分立の一角を担う司法こそ、ふさわしい役割を果たすよう求める場でもあります。現状に危機感を持つ、多くの人たちに、一緒に行動で示しましょうと呼びかけたいと思っています。

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