改憲許さない、熱い思いで 国会包囲行動に4万人

2017年11月11日

 日本国憲法公布から71年目の11月3日、全国各地で9条改憲に反対する行動が取り組まれました。3000万人を目標に「安倍9条改憲NO!憲法生かす全国署名」をめざす、同全国市民アクション(市民アクション)と総がかり行動実行委員会(総がかり実委)主催の国会包囲行動では、正午過ぎより駅からの人波が絶えることなく、約4万人(主催者発表)が集まりました。安倍首相は衆議院選挙直後から、国会での「改憲発議」に執着しています。国立地域では「安倍改憲は許さない」と、いち早く憲法生かす全国署名と国会包囲行動の成功に向けて力を尽くしてきました。

 国会包囲行動には、メッセージを届けようと趣向を凝らしたデコレーションを持つ人や、子どもを肩車する父親などの姿もあり、世代を超えた人々が「恒久平和」への思いを一つにコール。日本共産党、立憲民主党、民進党、社民党の党首、幹部らが次々とマイクを握り、「市民と野党の共同は終わらない」との激励に力強く応えました。また自由党からのメッセージが紹介されました
 憲法生かす全国署名と国会包囲行動の成功に向けて、多摩地域では様々な取り組みが行われてきました。
 東京土建一般労働組合(東京土建)小金井国分寺支部が、9月から定例で駅頭での街頭署名運動をスタート。28日の国分寺駅での宣伝では18人が参加して、3000万人署名への協力を訴えました。足を止めた女性=82歳=は「安倍さんもおかしくなっちゃってるね。選挙で勝ったからってなんでもしちゃダメだよ」と共感していました。
 また、同組合の府中国立支部ではすべての組合員に署名用紙を届け、構成員の2倍・3倍と署名を集める分会もあり、支部全体の構成員比74%の署名が寄せられています。
 国立市では10月28日に、「9条改憲NO! 市民アクション・国立」が学習会を実施し、98人が参加。可能な限り広範囲な人々が連帯し、改憲阻止の一点でたたかう思いをひとつにしました。集会に向けて東京土建から2000人分、市民団体から1600人分の署名が集会に届けられました。
 市民アクション・国立で事務局をしている長瀬昇さん(63)は「毎土曜日の宣伝は雨続きで十分ではなかったけれど、初めて見る方も含めて多くの人が参加してくれました。“衆議院選挙結果を見て大変だ”と思った時に、集会を企画してくれてありがたいと声をかけられました」と話しています。

国立市毎週の宣伝で署名集め

<多くの旗に元気>
 市民アクション・国立では今後も土曜日ごとに署名活動を計画。12月20日の第1次集約では1万人、来年5月3日の第2次集約で1万人、合計2万人の署名数を目標に奮闘中です。また、11・3国会包囲行動には大型バスが準備され、50人を超える市民が、3000万人署名アクションや土曜夜会(市民運動)のノボリを手に参加しました。
 市民アクション・国立の事務局を務める野道秀一さん(69)は、バスで参加したひとりです。野道さんは「日本共産党、社民党、立憲民主党、民進党の党首などの訴えに、市民連合のメッセージを受け止めて“やるんだという決意”を感じました。市民アクションの高田健運営委員の“改憲発議をさせない”ということが大切。多くの旗が揚がり、デコレーションが並ぶ光景に元気をもらいました。マスメディアがこうした運動を取り上げないので、地域では口コミやチラシで知らせる草の根運動で頑張らなくては」と語りました。
 集会は国会図書館前、町村会館前、議員会館前にもステージを設置し開催。それぞれの会場でスピーチもありました。
 このような地域での様々な取り組みを通じて、日を追うごとに大きくなっている「平和」への熱い思いが国会を包囲しました。さらに東京では新宿、有楽町でも宣伝行動が行われました。
(菅原恵子)

東京民報