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大田区業者 「先見えず」「廃業も」深刻化するナフサ不足

 米イスラエルによるイラン攻撃から3カ月が経ちました。原油輸送の要衝ホルムズ海峡の事実上の封鎖が続く中、プラスチックや塗料、医療資材や薬品の原料となる石油製品ナフサの供給混乱が深刻化し、様々な影響が出ています。政府は流通の「目詰まり」や供給の偏りが要因だとして、解消への対応に追われ、代替調達の進展で年明けまでの必要量は確保したと強調しています。一方、資材の品薄や値上げが相次いでおり、中小の建設業者や医療機関からは「資材が入手できず仕事ができない」「廃業せざるを得ない」など、深刻な声が上がっています。ものづくり、医療にも影響

ものづくり、医療にも影響

内装業
「見積もり困難」

 「今までなら1〜2週間で入ってきたのに、1カ月はかかると言われている。値段も15〜30%は上がった」。こう話すのは大田区内で内装業を営む加藤順一さん(66)。不足して一番困っているのが樹脂系の接着剤。新築マンションの内装が仕事の中心で、化粧板などを接着するのに欠かせません。
 もう一つの悩みが顧客に示す見積もりの難しさ。「今の仕事は資材が高騰する数カ月前に見積もっているので、値上げ分はかぶるしかない。この先も資材の値上がりが予想されるが、実際どうなるかが見えない。競争も激しいので見積もりに上乗せするのも難しい」と苦慮します。
 この仕事を40年近く続ける加藤さんですが、こんなことは経験したことがないと言います。「イラン攻撃が原因か分からないが、5月に入って仕事がガクンと減っている。お客さんも先行きが見通せないので、控えているのかもしれません。今でも借金の返済があるので融資ではなく、コロナ禍の時の持続化給付金のような支援があると助かります」。

金属加工業
「機械動かせず」

 「状況は更に厳しくなり、見通しが全く見えないと仕入れ先から話があった。油がなくなると機械は動かせない」。こう困り顔で話すのは、機械加工業の池田克憲さん(83)。
 油とは金属を加工する刃物台の動きを滑らかにする潤滑油のことで、なくなるとアラームが鳴り、作業ができなくなります。仕入れ先からは、メーカーに注文できない状況だとの説明がありました。入荷しても値段は6〜7割も上がっていると言います。油を節約するために2台ある旋盤のうち、1台しか使っていません。
 かつて日本の物づくりを支えた大田区の町工場でしたが、親会社の海外進出による産業空洞化や後継者不足で衰退の一途です。池田さんは仕事が少なくなった今、パート従業員を休ませています。そこに加えての油不足や値段の高騰は致命的です。
 池田さんは「高市首相は〝目詰まり〞と言って目先の対応ばかりです。ホルムズ海峡の封鎖が解決しない限り、油や原材料の供給不足は解消されず、町工場の倒産が続出するのではないか」と危惧します。実際、知り合いの三つの町工場が相次いで廃業しました。
 池田さんの仲間は、中国から銅の輸入が途絶えたことで銅加工の仕事を失いました。「コロナ禍で借りた融資の返済が終わり、ほっとしたところに、この問題です。たとえ無利子でも融資だと返済はもう無理。持続化給付金のような直接支援をやってほしい」。訴えは切実です。

共産党大田区議団
区長に緊急要望

 日本共産党大田区議団は、物価高騰・資材不足から区民のくらしと営業を守るために、鈴木晶雅区長に対し緊急要望を行いました(5月19日)。
 国に対して米国・イスラエルとイランの戦争終結に向けた外交交渉を開始するよう求めること、物価高騰・資材不足、燃料費の値上げの影響を受けている区内中小事業者に直接支援を行うことなど6項目にわたっています。

共産党足立区議団が緊急調査
「診療困難」6割

 足立区議団は区内医療機関向け「ホルムズ海峡封鎖の緊急影響調査」を5月連休明けから、区内800以上の医療機関に郵送・配布で届けています。これまでに約100件の回答があり、「とりわけ歯科診療所の状況が深刻で、今まで共産党とはつながりのなかった歯科診療所などからも診療できなくなるといった悲鳴のような声が届いています」(ぬかが和子同団長)。
 アンケート結果は、ホルムズ海峡の封鎖の影響はほぼ全てが「ある」と回答。6割近い診療所が「麻酔薬が入手できないので診療が困難。休診を考えている」「グローブが入手困難で在庫がなくなれば休診するしかない」など、「休診」「診療できなくなる」と訴えています。
 真っ先に回答した歯科クリニックは「業者の販売制限により、歯科診療には欠かせないキシロカインに代表される浸潤麻酔薬、グローブ、紙コップ、紙エプロン、医薬品(抗生剤・鎮痛剤)が、極度に不足し、2週間に1回納品されるかどうかである。処方薬は、院内処方は中断して処方箋で出したが、薬局でもたらい回しに遭ったという患者様もいた」と、具体的な状況を寄せました。
 また「すでにグローブは、ほぼ入荷できない状況。消毒用エタノール、マスクも入手困難」として、「治療行為ができなくなるかもしれない」と訴える歯科医院もありました。
 必要な支援策を尋ねたところ、「診療報酬の臨時改定」が多く、「燃料や光熱費への直接支援」「コロナ禍に実施された『持続化給付金』『家賃支援給付金』のような支援策」を求める声も少なくありませんでした。
 「今後の見通しや心配していること」の自由記載欄には、「衛生材料や治療材料・薬剤の不足は命に関わること。速やかにホルムズ海峡封鎖をやめて戦争を終わらせるよう政府に強く働きかけてほしい」「政治家の不用意な発言による戦争の誘発」「高市(首相)が謝罪、アメリカ盲従をやめて辞職するのが大前提」と記した診療所もありました。

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