都議会本会議は2日、一般質問を行い、9会派から15人が質問しました。日本共産党からは、せいの恵子都議が初質問に立ちました。前職の北区議時代から聞いてきた医療、介護、障害福祉の現場の声をもとに、都立病院の行政的医療の役割発揮や訪問介護の支援、障害児・者支援の拡充を提起しました。

「私の看護師としてのスタートは、都立豊島病院の精神科からです」。せいの都議は、精神科の急性期病棟で経験してきた様々な体験を通して、患者を受け入れる病院が少ないことを痛感してきたと述べ、困難を抱えているケースに対応する行政的医療を担う都立病院の役割と意義を強調。知事の認識を問うとともに、不採算を理由に「役割を後退させてはならない」と訴えました。
小池知事は都立病院について、「行政的医療の安定的、継続的な提供などを推進することにより、都民の健康を守り、その増進に寄与することを役割としている」と答弁しました。
訪問介護事業
支援強化求め
昨年4月に国が行った介護報酬改定によって訪問介護の基本報酬が2〜3%引き下げられたことで、閉鎖に追い込まれた訪問介護事業所をはじめ、サービスの縮小や事業の休廃止が相次いでいます。
せいの都議は、報酬引き下げ分に対する財政支援を始めた品川区が「利用者の在宅生活に少なからず影響を与えることから支援を実施した」と説明していることを紹介。都としても同様の支援を行うよう求めました。
所得制限なくし
育ちの応援に
「同じ子どもへの支援に対し、親の所得による制限を適用すべきではない」。せいの都議は、都の児童育成手当の所得制限をなくし、子どもたちの育ちを応援する手当にするよう提起しました。
放課後等デイサービスは、一定の所得を超えると、上限額は3万7200円になり、宿泊行事に参加できない、利用回数を減らさざるを得ない子どもが出ています。千代田、中央、品川各区では無償化、新宿、荒川、墨田各区では費用負担の軽減を実施しています。せいの都議は利用料の無償化を主張しました。
せいの都議は「障害があっても、安心して余暇を過ごせる居場所を持つことは当たり前の権利です」と強調。障害者の余暇支援の拡充を小池知事に求めました。
都の「障害者の居場所に関する調査」で、居場所確保に関わる要望があると43区市町が答えるなど、余暇支援に対する需要が高まっていると指摘。「余暇活動を行える居場所が増え、当事者が地域差なく必要な支援を受けられることが重要だ」と強調しました。
その上で「余暇支援事業を都内全区市町村が実施できるようにすべきだ」として、現在の包括補助事業から余暇支援を独立した補助として行い、補助率も引き上げるよう提案しました。
髙崎秀之福祉局長は「区市町村から夕方の居場所の需要があるとの意見があった。地域の実情に応じた居場所の確保ができるよう、引き続き取り組んでいく」と答えました。
再開発ありきやめ
住民目線で対応を
せいの都議はまた、国が市街地再開発に対する補助金の対象を「必要性・緊急性の高い事業」に絞り込むと発表したことに関連して、北区が補助対象から外れた赤羽駅前再開発を、引き続き補助対象となるよう画策していると告発。
都に対し、再開発ありきではなく「本当に住民のためのものなのか」という立場で、自治体などからの相談に当たるよう求めました。