熟議と開かれた議会へ 共産党都議団 議会改革で提案

 日本共産党東京都議団は7日、都庁で記者会見を開き、「よく議論して決める、都民に開かれた議会」へ前進するための議会改革提案を発表しました。

全会派参加で民主的運営を
 改革提案は①全ての会派・議員が参加して民主的な議会運営を進める②開かれた都議会へ、議会の「見える化」を進める③都議会が役割を果たせる十分な議論を保障する④多様な人が議員として活動できる環境を整備する⑤都政を厳しくチェックする都議会にする―という5つの柱、22項目からなっています(表参照)。
 日本共産党都議団は、これまでも議会改革を提案し、議会のインターネット中継や費用弁償(議員報酬とは別に支給される諸費用)の廃止、豪華海外視察の中止など、実現してきました(右下表)。
 会見で里吉ゆみ幹事長は「議会は民主主義実現の場そのものであり、これまで築いてきた蓄積を大切にしながら、常にアップデートしていくことが必要だ」と指摘。「都議は有権者の負託を受け当選しており、都議会のあり方は全都議や会派、都民に関わる重要問題」と強調しました。
 ところが、議会運営に関わる重要な場に、一人会派や少数会派が出席できない状況があります。9日に新たに始まった議会改革を話し合う「都議会のあり方検討会」にも2人以下の会派は参加できていません。
 里吉幹事長は議会改革の検討を都民に公開し、一人会派を含む全会派参加で進めることを提起。さらに都庁記者クラブなどの主催で、一人会派・少数会派も含め全会派による「都議会改革公開討論会(仮称)」の開催を提案しました。
 里吉幹事長はまた、議案に対して各議員がどのような態度をとったのかは大事な情報だとして、議案に対する各議員の賛否についてホームページで公開する、常任委員会のインターネット中継は発言者をアップにして氏名や役職が分かるように改善を求めるとしました。

議会の見える化
 議会の「見える化」では▽非公開で行われている議会運営委員会理事会の公開▽裏金問題の温床となった政治資金パーティーの自主的な禁止―を提起しました。
 都議会が役割を果たせる十分な議論を保障するためには、定例会の会期を十分に確保し、日数を増やすことが必要だと指摘。「子育てや介護を行う人でも都議として働ける環境は極めて重要」と述べました。
 その上で▽定例会の会期を「会議規則」通りに確保し、本会議と常任委員会の日数を増やす(左下表参照)▽陳情・請願の丁寧な審査▽予算特別委員会を常設し、知事と一問一答で質疑する機会を増やす―ことを提案しました。

ジェンダー平等
 里吉幹事長は「議会で多様な人が議員として活動するために、ジェンダー平等が強く求められている」と強調。▽「ジェンダーに配慮した議会のための行動計画」(列国議会同盟)を参考に、都議会でも具体的な取り組みを推進▽ハラスメント対策を位置づけ、研修、相談窓口の取り組みを具体化―を提案しました。
 また、子ども意見表明権を保障する機会として「子ども議会」を開催するとしました。
 都議会のチェック機能強化の課題では「質問者の会派によって答弁に差をつけたり、知事が答弁に立たなかったりするなど対応を変える不正常な都政運営が続いている。抜本的に改める必要がある」と指摘しました。
 その上で、各党・各会派が意見を出し合い、議会内外で意見を交わすことを呼びかけました。

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