蓮舫氏、健闘も及ばず

都知事選 小池氏が3選

 東京都知事選が7日投開票され、幅広い市民と野党など「オール東京」に推された前参院議員の蓮舫氏(56)は大奮闘しましたが、及びませんでした。現職の小池百合子氏(71)が3選しました。

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あいさつする蓮舫氏=7日、東京都千代田区(しんぶん赤旗提供)

 蓮舫氏は選挙結果を受け、都内の開票センターで会見し、「多くの方々に温かい言葉と応援をいただき、思いを訴えることができた」と語りました。選挙戦で日本共産党が支援の枠組みに入っていることについて記者団から問われ、「共産党をはじめ多くの方の力をいただいたのは私の財産だ」と述べました。

 また、候補者の公開討論会がわずかしか行われなかったことについて「政策も現職への対案もあったが、公開討論が実現しなかったのは残念だ」と述べました。

 争点となった神宮外苑再開発で「立ち止まる」と訴えたことについて問われ、「私の上げた声は間違っていない。市民からの声に真摯(しんし)に向き合い、私にできることがあれば動きたい」と語りました。

 都知事選は、「財界ファースト」で都民の暮らしに無関心な小池都政に都民の批判が高まる中で行われました。

 蓮舫氏は5月27日に立候補を表明し、市民と共産党、立憲民主党、社民党、生活者ネット、新社会党、緑の党など野党でつくる候補者選定委員会が一致して擁立。▽公契約条例などで現役世代の手取りを増やす本物の少子化対策▽保育・教育・介護・医療の現場で働く人たちの処遇を改善し安心をつくる▽ガラス張りの都政をつくる行財政改革▽神宮外苑再開発の見直し▽多摩地域を含めた学校給食無償化▽政官業の癒着が疑われる政治資金パーティーは開かない―などを掲げました。

 選挙期間中も、▽PFAS(有機フッ素化合物)汚染源の一つと疑われる米軍基地との交渉を国に求める▽神宮外苑再開発の是非を問う都民投票▽国民健康保険料(税)の負担で家計を圧迫することのない都政―など、政策をバージョンアップさせました。

 市民団体や野党の奮闘に加え、1人または少人数でスタンディングなどを行う「ひとり街宣」も都内700カ所以上の駅頭に広がり、数千人が立ち上がるなど新しい運動が高まりました。

 これに対し小池知事は、「蓮舫による共産党主導の革新都政を絶対阻止しなければならない」とした自民党都連や、公明党、都民ファーストの会、国民民主党の支援を受けつつ、中盤までは「公務」を理由に街頭演説の回数を絞り、候補者間の公開討論会もほとんど行われませんでした。

(しんぶん赤旗2024年7月8日付より)