オスプレイ飛行再開 周辺住民 募る不安

平和団体、中止・撤去求める

 クラッチの不具合で飛行を停止していた在日米軍横田基地(東京都多摩地域)配備の米空軍特殊作戦機CV22オスプレイが7日、原因究明もないまま本格的に飛行を再開しました。平和・住民団体は「周辺住民を事故の危険にさらす身勝手な飛行再開は許されない」として飛行中止、全面撤去を求めています。

横田基地を離陸するCV22オスプレイ=7日(羽村平和委員会提供)

 横田基地の監視活動を続けている羽村市の羽村平和委員会によると、7日は午前9時38分に1機が離陸し南へ向かい、相模湾、伊豆半島、神奈川県、埼玉県、横田基地周辺を飛行し、午後2時46分に帰着。同じ機体は午後4時14分に再び離陸し青森県の三沢基地へ向かいました。午後5時3分には別の機体が離陸し、関東周辺を飛行し午後9時4分に着陸しました。

自治体も懸念

 米空軍特殊作戦軍は、エンジンのギアボックス内にあるローターに動力をつなぐクラッチが、「未知の理由」で滑る事故が2017年以降4件、過去6週間で2件発生したとして、8月16日に横田基地配備の6機を含む、52機全機を「地上待機措置」とすると発表。今月2日に、運用手順の確認、操縦士の教育・訓練、継続的な点検で安全は確保できるとして地上待機解除を発表。米軍は横田基地周辺自治体に対し、3日からのチェック飛行のあと7日から「通常運用」を再開すると通告していました。

 日本平和委員会は4日、「周辺住民をはじめ日本国民の命を危険にさらすなど断じて許すわけにはいかない」と飛行再開決定に抗議し、米海兵隊、陸上自衛隊を含むすべてのオスプレイの飛行中止・撤去を求める声明を発表。東京都と周辺6市町でつくる連絡協議会は日本政府と米軍に、周辺住民の不安をさらに募らせることも懸念されるとして、安全確保の徹底や十分な説明を要請しました。

国民の命軽視

 横田基地の撤去を求める西多摩の会の寉田一忠事務局長は「CV22は2018年の配備以来、4回も緊急着陸をしています。飛行をやめるよう要求しても政府も米軍も聞く耳を持ちません。日本国民の命を軽視しています。国民、都民の命を守るためにも、欠陥機オスプレイの飛行、10機への増強は絶対に許すわけにいきません」と話しています。

(「しんぶん赤旗」2022年9月9日付より)