13日の都議会予算特別委員会に共産党から立った星見てい子、原のり子両都議の質問を紹介します。

予特委 星見都議が追及

 星見都議は都教育委員会が都立高校入試に導入するとしている英語のスピーキング(会話)テストについて、民間教育関連会社に請け負わすことを巡って公平性の確保など、根本的な問題があると厳しく指摘しました。
 都教委は2022年度から公立中学生約8万人全員に、民間のスピーキングテストを受験させ、英語100点満点のうち、20点程度とする方向で検討しています。このテストを実施、採点するのは大手教育関連会社ベネッセコーポレーション(ベネッセ、本社・岡山県)。今年度、8000人を対象に行ったプレテストも、同社が請け負いました。

 星見都議は採点を行うとされているベネッセの関連会社「株式会社学力評価研究機構」が実態のないペーパー会社の疑いがあり、さらに採点業務はフィリピンの現地スタッフ71人で行われたことを明らかにしました。
 星見都議は、採点にあたったフィリピンの現地スタッフについて、学力評価研究機構の社員なのか、採点業務がどのように行われたのかを現地で確認したのかと質問。藤田裕司教育長は書面による確認はしたが、「次年度以降、採点場所を訪問し、直接現地で確認する予定」だと答弁。同社の社員であるかどうかや実際の採点業務について未確認であることを認めました。
 星見都議は「最も公平性が求められる入試で使うテストにもかかわらず、日本人の中学生の学力をはかる学校英語を公平に採点できる専門性、システム、体制があるのかどうか、きちんと実行できるのかどうか、都教委は確認が現在もできていない。大きな問題だ」と批判しました。

 星見都議は、同テストは「根本的な問題をはらんでいる」と強調。同社の公式ホームページで「入試や検定合格につながる『英語で話す力』を伸ばします」と教材を売り出していること(左上写真)や、テスト用紙等に印刷されたベネッセのロゴを示し、大学入試共通テストで文部科学相から是正を求められたような採点業務の中立性、信頼性が疑われる事態が起きていると追及し、都側の認識をただしました。藤田教育長は「確かめたうえで適正に対応する」との答えにとどまりました。
 星見都議はベネッセが運営する進研ゼミを受講している子どもの方が、有利になるのではないかと心配する保護者の声を紹介。「公平性、中立性、信頼性が大問題になっている」として、スピーキングテストの中止を求めました。

都営住宅 供給計算にごまかし

 星見都議は、少なすぎる都営住宅を増やすよう、20年間ストップしている新規建設を再開するよう求めました。
 星見都議は、小池知事が昨年5月に主催した世界主要都市サミットの提言書に、公営住宅整備のための財源増加が明記されていると指摘。知事の認識を問いましたが、知事は「都営住宅供給は既存ストックの有効活用を図りながら、住宅セーフティーネットの中核としての機能を的確に果たせるように取り組む」などと答弁しただけでした。

 星見都議は「(同サミットの)コミュニケ(声明文書)の主張に背を向ける態度」だと批判。さらに入居希望者は募集住戸の20倍で、ファミリー世帯向け94・6倍、単身者向けにいたっては316倍にものぼっていると指摘。全国の中でも突出している高さだとし、知事の認識をただしましたが、答弁はありませんでした。
 星見都議は「都民が切実に都営住宅を求めても、数が増えないからくりが最近見えてきた」とのべ、都が供給目標を計算するもととなる困窮する世帯数に、都独自の条件をつけて制限して絞り込んでいるからだと強調。都が策定した「東京都住宅マスタープラン」では、国のプログラムで推計した入居資格世帯数約64万世帯を、都独自の線引きによって「9万6000世帯」、15%にまで絞り込んでいると告発しました。
 その上で星見都議は、「住まいに困っている都民が、希望すれば都営住宅に入れるような供給目標を立てるべきだ」と迫りましたが、知事は答弁しませんでした。

原のり子都議
公社病院の独法化中止を

 原のり子都議は、石原都政による清瀬小児病院の廃止後、公社・多摩北部医療センターが地元医師会と協力して小児救急医療の受け皿になってきたことを紹介。ところが都は、都立病院・公社病院の独法化を突然打ち出し、同センターの運営協議会をはじめ医師や看護師、医療技術者、地元医師会や住民など関係者への説明もまともに行っていませんでした。
 原都議は。こうした事実を示し、「医師会や住民をあまりにも、ないがしろにしている」と批判。さらに小池知事が昨年末に発表した計画素案で、公社病院について、さらなるコスト削減を図ることで都の財政負担を減らすと明記していると指摘。同センターの独法化で「不採算な小児科が後退しかねない」とのべ、独法化はきっぱり中止するよう求めました。
 小池知事は石原都政が強行した都立3小児病院廃止の評価を問われたのに、聞かれたことに答えませんでした。

障害者の歯科診療

 原都議は障害者の歯科診療について、症状がうまく表現できないことから悪化したり、費用が高額になるなど家族から寄せられる深刻な実態を紹介。経済的支援や障害者歯科に取り組む医院を増やすための支援拡充を具体的に求めました。
 原都議は障害者が健常者と同様に歯科健診や歯科医療が受けられるようにすることの重要性について、知事の認識をただしました。小池知事は「必要に応じて専門的な歯科医療機関を受診できるように環境を整えることは重要だ」と答弁。原都議は「ぜひ前向きに積極的に取り組んでほしい」とのべ、都道府県では福井と都だけしか制定していない「歯科口腔保健推進条例」の制定を求めました。
 原都議はまた、都の人権尊重条例の具体化として、都としてパートナーシップ制度の実施に踏み出すよう提起。法律では認められない同性カップルなどのセクシャルマイノリティー(性的少数者)カップルに、「公的承認」や「性自認・性的指向を理由とした困難等の解消」を自治体として制度化するもの。同制度を実施しているのは、34自治体に広がっています。