旧姓使用で解決せず

参院委 小池氏「選択的別姓を」

質問する小池晃書記局長=5日、参院財金委(しんぶん赤旗提供)

 日本共産党の小池晃書記局長は5日の参院財政金融委員会で、選択的夫婦別姓制度をめぐり、旧姓の通称使用で不便が解消されるとする議論について、金融機関での対応の実例を示し、旧姓の通称使用では問題が解決できないとし選択的夫婦別姓制度の導入を求めました。

 金融庁と内閣府が2022年に公表したアンケート調査結果によると、旧姓による預金口座開設などに対応している金融機関は、銀行は68・8%、信用金庫は58・3%、信用組合は12・4%にすぎません。

 小池氏は、金融機関で旧姓使用が進まない背景に、周知が不十分で、旧姓で申し込みを受けても簡単に認めないケースが多いと指摘し、旧姓で口座開設ができると聞いて申し込んだが認められず、業務で送金するたびに身分証明をしなければならないという山口県の弁護士の事例を紹介。証券や株式、投資信託、国債、社債、個人型確定拠出年金などの取引で旧姓口座使用できるかただしました。金融庁の伊藤豊監督局長は「旧姓口座で有価証券の取引ができる金融機関は承知していない」と答えました。

 小池氏は「一人の個人を単一名称で管理しなければ名寄せや適正な課税ができず、不正な取引やマネーロンダリング、脱税を防止できないため、当然の対応だ」と指摘。クレジットカード作成や住宅ローン、生命保険の締結などでも旧姓使用ができない場合が多いとして、「旧姓の使用では十分な経済活動はできず社会的信用を得られない」と強調し、「人権とアイデンティティーの問題だ。国際的基準で対応できるよう、選択的夫婦別姓の導入こそ必要だ」と迫りました。

 加藤勝信金融担当相が、旧姓の口座開設を周知し「支障ができるだけないようにする」と答えたのに対し、小池氏は「選択的夫婦別姓を実施すれば支障は全くなくなる」と改めて訴えました。

(「しんぶん赤旗」2025年6月7日付より)

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