日本共産党の2025都議選公約
2025年6月9日 党東京都委員会
都民のみなさん。
東京都議会議員選挙が、6月13日告示、22日投票でおこなわれます。都議選は、都民の暮らしと未来を左右する選挙であるとともに、連続する参院選にも直結し、国政に大きな影響をあたえます。
日本共産党東京都委員会は4月に「物価高から都民生活を守る緊急要求」5項目(※)を発表し、実現に取り組んできました。その成果は、東京都が水道の基本料金を今夏4カ月間無料にすると表明したことなどに、すでに表れ始めています。
※①賃上げへ1人当たり12万円の中小企業支援と、公契約条例の実現②100万世帯への月1万円の家賃補助③修学旅行・制服など無償化。通学定期への補助。学生パスの創設。国にはたらきかけ「公共交通」は18歳まで子ども料金に④国民健康保険料(税)・後期高齢者医療保険料を1人3万円引き下げ、18歳までは無料に⑤水道料金10%値下げと、シルバーパスの無料化、1人1万円の生活支援給付金。
日本共産党東京都委員会は、この「緊急要求」の内容を含む諸政策―「三つの重要課題」「実績からの前進」「分野別政策」を、「都議選公約」として発表し、選挙戦を通じて都民のみなさんに訴えるとともに、実現に全力をあげることを表明します。
消費税減税こそ最も効果的・合理的な物価対策
日本共産党が取り組んでいる「要求アンケート」に、都民のみなさんから、物価高騰の中で悲鳴の声がたくさん寄せられています。どの党が伸びれば、暮らしを守る政治になるのかが最大の焦点です。
国政では、日本共産党が一貫して訴えてきた消費税減税が熱い焦点に浮上し、最大の争点となっています。消費税廃止をめざし、緊急に5%への減税をおこなうべきです。食料品だけゼロ%とする減税の2倍以上の減税効果があります。自民党は「財源がない」といいますが、大企業と富裕層への減税・優遇を見直せば、恒久的財源を確保できます。都議選で、東京から消費税減税の声を大きく上げましょう。焦点となっている財源で責任ある提案をおこない議論をリードする日本共産党の躍進で、消費税減税への道を開きましょう。
都民の暮らしと福祉を守ることこそ都政の最優先の仕事
物価高騰、コメ不足、トランプ関税に対する石破政権の無策と、医療・介護を危機に追いやる悪政による、都民の苦しみをよそに、小池都知事の与党である自民党、都民ファーストの会、公明党は、お台場での世界最大級の巨大噴水建設に26億円、都内各地の街を壊す道路建設など、不要不急の事業を優先しています。
東京都政が今こそ、スウェーデンの国家予算に匹敵する規模の巨大な財政力を、都民の暮らし・福祉を守ることに生かすことが必要です。今の都政にないのは、お金ではなく、都民の暮らしに寄り添う姿勢です。日本共産党の「緊急要求」の実現に必要な予算は5000億円あまりです。今年度の税収は前年度より5400億円増えています。都の一般会計予算を5%あまり組み替えれば実現できます。
都議選で日本共産党を躍進させてください。ご一緒に、暮らし・福祉最優先の都政に変えましょう。
都政の三つの重要課題に、新たな決意で挑みます
日本共産党は、選挙後の新しい都議会で、次の三つの新たな課題にチャレンジします。
〔1〕都政として、賃上げに取り組みます
働く人の実質賃金は3年連続マイナスです。物価高騰を上回る賃上げを、政治の責任で進める必要があります。中小企業(小規模事業者を含む)への直接支援が、賃上げの最大のカギになります。すでに岩手、徳島、群馬、奈良では賃上げへの直接支援をおこなっており、東京でできない理由はありません。本気で賃上げに取り組む都政に転換します。
東京都発注による公契約の事業は、年間1兆7500億円にも及びます。公契約で賃金がアップすれば東京全体の中小企業に波及し、地域経済が元気になります。
● 賃上げをおこなった中小企業に1人あたり12万円の「賃上げ応援助成金」制度を創設します。
● 東京都発注の事業で働く人の労働条件の基準を定める「東京都公契約条例」を制定し、時給1600円以上をめざします。
※さらに賃金・雇用、地域経済支援の政策を、「分野別政策」でご覧ください。
〔2〕国の福祉切り捨て政策から都民を守る防波堤となる都政をつくります
物価高にもかかわらず、国が診療報酬、介護報酬を抑える中、医療と介護が危機にひんしています。東京都病院協会の調査では、一般病院の過半数が赤字に陥っています。医療機関の閉鎖・休止が相次ぎ、医療従事者の賃下げが余儀なくされ、退職者が続出しています。
こうしたもとで、日本共産党都議団のくりかえしの提案が実り、都が今年度予算で民間病院等への321億円の支援を計上したことは、画期的な前進です。
介護でも、人手不足と事業所の休廃止による、提供基盤の危機が進行しています。賃金が物価に追いつかず、基本報酬が引き下げられた訪問介護では、事業所の閉鎖が相次ぎ、必要なヘルパーが見つからない「介護難民」が広がっています。
こうした中で世田谷区が、訪問介護事業所1カ所あたり88万円等の支援に踏み出したことは、学ぶべき施策です。
医療と介護の危機は、都民の命と健康、高齢者の尊厳ある暮らし、現役世代の介護離職に直結する大問題です。緊急に国費を投入して、医療と介護の崩壊を止め、働く人の待遇を改善することを求めます。同時に、東京都は「住民の福祉の増進」(地方自治法第1条の2)を使命とする自治体として、国の福祉切り捨て政策から都民を守る防波堤の役割を果たすべきです。
● 都が始めた民間病院等への臨時支援を、継続・拡充します。
● 都として、介護、障害福祉事業所への緊急支援をおこないます。
● 高すぎる国民健康保険料(税)と後期高齢者医療保険料を、1人3万円引き下げます。国保料(税)の18歳未満の均等割をゼロ円にします。
※さらに医療・介護・福祉の充実の政策を、「分野別政策」でご覧ください。
〔3〕「稼ぐ東京」から「住み続けられる東京」へ転換します
新築マンションの平均価格が1億円を超えるなど東京の住宅価格が高騰しています。家賃(マンション、50~70平方メートル)も、この10年間で東京23区は1・4倍、多摩地域でも1・3倍に上昇しています。固定資産税や住宅ローンの支払いも増えています。普通に働く勤労者が住めない東京にしてはなりません。
住宅価格高騰の大きな背景に、「稼ぐ東京」の掛け声で、財界のための規制緩和と大規模開発を進めてきた国と都の政策があります。「住まいは人権」の立場で、「稼ぐ東京」から「住み続けられる東京」へ転換します。
● 緊急に月1万円の家賃補助を100万世帯に対しおこないます。
● 本格的な家賃補助制度の創設を、国に働きかけます。
● 住宅ローン減税に匹敵する規模で家賃減税制度をつくるよう、国に働きかけます。
● 固定資産税を都独自に軽減します。物価高騰対策として、住宅の居住部分の床面積120平方メートルまでについて、固定資産税を2割軽減します。
● 東京都住宅供給公社による公的住宅の供給を再開し、中間層向けの所得に応じた家賃の公共住宅(仮称・東京社会住宅)を10年間で5万戸供給します。公社住宅の低所得世帯に対する「家賃1割減額制度」を創設します。
● 都営住宅を、①新規建設の再開、②建て替え時の増設、③公社住宅などを利用した「借り上げ都営住宅」の「3点セット」で、10年間で10万戸増やします。建て替えのために募集停止した都営住宅の空き住戸を住宅支援に活用します。
● 「住居確保支援給付金」を、都独自に、支援期間の制限撤廃、支給上限額の引き上げなど拡充し、継続して実施します。
● 「東京特区」などの指定を解除し、大手デベロッパーへの減税・優遇をやめます。都の都市開発制度を見直し、規制緩和と大規模再開発による住宅価格高騰の原因を取り除きます。
● 居住実態のない「2年以内の転売」に上乗せ課税するなど、投機目的の住宅転売の規制を強化します。
都議会野党第1党としての実績を、さらに前へ進めます
日本共産党東京都議団は2013年から3回連続の都議選で躍進し、現在19議席。国会なら100議席以上に相当します。自民、都民ファ、公明と肩を並べる議席を持つ、野党第1党です。この力を生かして、18歳までの子ども医療費無料化をはじめ多くの都民要求を実現してきました。自民・都民ファ・公明が反対、妨害してきたものですが、日本共産党都議団は、都民の運動と力を合わせながら、議会質問や条例提案、予算組み替え提案などを通じて、実現へ粘り強く論戦してきました。他の会派との共同をひろげ強めるため、野党のまとめ役としての役割も果たしてきました。こうした取り組みが、小池知事と与党の態度を変えさせて、都民の願いを実現させてきたのです。
また、日本共産党都議団は、躍進によって女性や若い世代の議員が増えたことも力に、これまで都政の光が当たってこなかった分野・テーマ、たとえば「痴漢ゼロ」めざす取り組みや、都立高校の校則の見直しなどを都議会で取り上げ、都政さらに国政の課題へと押し上げてきました。気候危機打開の課題でも、積極的提案を重ねています。
「日本共産党が提案すれば都政が動く」――この実績をふまえて、都民の願い実現を、さらに前へ進めます。
【学校給食無償化を実現】 次は修学旅行・制服・学用品・通学定期など、教育の無償化をさらに
日本共産党都議団は学校給食無償化に向けて、2017年以来、4回にわたって条例提案をおこなってきました。党国会議員団と連携し、吉良よし子参院議員が2018年の国会で質問して、文科大臣から「自治体が全額補助することは否定されない」という答弁を引き出しました。これも力に、党都議団は23年12月、野党4会派共同で条例提案をおこないました。これを自民、都民ファ、公明は否決しましたが、都は24年度から無償化に踏み出し、今年ついに都内のすべての自治体で無償化が実現しました。
● この成果をふまえて、さらに教育の無償化へ前進させます。日本共産党は、こんどの都議選で、修学旅行、制服、学用品、通学定期の無償化を公約に掲げ、実現に力を尽くします。学生パスも創設します。電車やバスの子ども料金は、現在は小学生までですが、18歳まで延長するよう、国に強力に働き掛けます。
【シルバーパスが4割値下げに】 さらに無料にもどし、適用を広げてもっと便利に
日本共産党都議団はシルバーパスの負担軽減の条例提案を、2017年以降5回おこなってきました。24年12月の条例案は、自民、都民ファ、公明の反対で否決されましたが、五つの会派、都議会の3分の1の議員が賛成しました。これが決定打となり、年2万510円のパスが、今年の10月から1万2000円に、4割値下げされます。
● シルバーパスはもともとは無料だったのが、25年前に自民、公明などの賛成で全面有料化されました。値下げはそれ以来初めてです。日本共産党は、シルバーパスを無料にもどし、適用対象を東京メトロ、多摩モノレール、全てのコミュニティーバス、都県境をまたぐバス路線などへ拡大します。
【補聴器購入助成が前進】 さらに増額、対象拡大、健診やアフターケアなど充実を
補聴器購入助成を東京の全自治体で実現し拡充するため、党都議団は2021年と23年に条例提案をしてきました。これらも自民、都民ファ、公明らによって否決されましたが、都は24年度に補聴器助成を独立の事業に発展させ、26年度までに全区市町村で実施する計画を立てるに至りました。25年度予算案では、都内52区市町村で実施できるよう予算が増額されました。党都議団の長年にわたる努力の大きな成果です。
● さらに、都内全域で、助成を1人当たり上限14万4900円(所得制限なし)で実施できるようにします。各区市町村の努力と結んで、補助額や対象の拡大、健診やアフターケアなど、さらに拡充します。
【水道料金がこの夏値下げ】 さらに値下げ継続・拡大、1人1万円の生活支援給付金も
東京都が水道の基本料金を今夏4カ月間無料にする補正予算を組みました。日本共産党都議団が2020年以来くりかえし要求し、今年の予算議会、党都委員会の「物価高から都民生活を守る緊急要求」でも提案した水道料金の値下げが、一歩前進の形で実りました。
● 水道料金値下げを今夏4カ月で終わりにせず、物価高騰対策として継続し、水道料金全体の10%など、値下げを拡大するため、日本共産党はひきつづき力を尽くします。
電気・ガスなどの光熱費、コメをはじめとする食料品の値上がりで、暮らしは本当に大変です。都として都民の暮らしを直接応援する1人1万円の生活支援給付金を、緊急に実現させます。
裏金政治を都議会から一掃しましょう
都民の暮らしの苦しみそっちのけの裏金政治、都政における政治腐敗の一掃も、今度の都議選の焦点です。
都議会自民党による政治資金パーティーを利用した裏金は、2019年と22年だけで3700万円にのぼります。新たに、自民党都連のパーティーを利用した都議らの裏金づくりが報道されています。日本共産党都議団の文書質問から、パーティー券を購入したのはほとんどが企業だとわかりました。見返り政治の温床となる政治資金パーティーそのものの禁止が必要です。
日本共産党は、他の野党会派と共同して、政治倫理条例検討委員会への裏金議員全員の参考人招致を提案しました。自民とともに都民ファ・公明も裏金議員をかばって否決しましたが、一部が実現し、いくつも説明の食い違いが浮かび上がりました。また、自民党政調会の元事務局長の証言から、自民党が「怪文書」と言っていた「裏金マニュアル」と「パーティー券追加配布リスト」の存在が明らかになり、都議会自民党が意図的・組織的に裏金をつくっていたことが証明されました。
政治倫理条例の制定をめぐっては、日本共産党は他の野党と共同して、政治資金パーティーの自主的禁止を提案しましたが、自民・都民ファ・公明党は、政治資金パーティーを温存すると同時に、「条例の施行前になされた行為については適用しない」という規定を盛り込んだ「裏金自民免罪条例」を提案し、数の力で通しました。
● 日本共産党は、ひきつづき裏金事件の真相を徹底究明するとともに、腐敗の大もとにある企業・団体献金禁止へ全力をあげます。
都議選では、裏金自民とかばう都民ファ・公明に厳しい審判を下し、お金で動く政治を終わらせ、国民・都民の声で動く政治を実現するため、日本共産党を伸ばしてください。
東京から、大軍拡ノー、平和の声を発信しましょう
アメリカのトランプ政権が、日本に対し「軍事費をGDP(国内総生産)比3%以上に増やせ」、「いざというときは自衛隊は最前線でたたかえ」と求めています。アメリカ言いなりの大軍拡を続ければ、「軍事対軍事」の悪循環に陥ります。いま必要なのは「戦争の準備」ではなく、東アジアに平和をつくる「平和の準備」=平和外交です。平和も暮らしも壊す大軍拡はきっぱり中止すべきです。
日本共産党は、日米軍事同盟をやめ、日米友好条約を結ぶことを掲げる唯一の党です。ご一緒に、大軍拡をストップし、対等・平等の日米新時代をひらきましょう。
日本共産党を大きく伸ばし、「財界中心」「アメリカ言いなり」の自民党政治を、大もとから変えていきましょう。