2025都議選 在日米軍横田基地と日米軍司令部の強化

米国いいなり戦争拠点化反対 憲法守る政治に変えよう

日本の首都・東京が「台湾有事」などインド太平洋地域での日米一体の戦争拠点とされようとしています。多摩地域の在日米軍横田基地の強化に加えて、米軍は都心の港区に自衛隊の作戦司令部との調整を担う新たな部署を設置。東京都議選(6月13日告示・22日投票)でも米国いいなりで戦争準備をする道か、平和な東京への転換かが問われています。(佐藤つよし)

3月30日、日米の防衛担当閣僚の会談で米側は、3月に発足した自衛隊統合作戦司令部と日米の軍事一体化を進めるために在日米軍の統合軍(部隊)司令部へのアップグレードを開始すると表明しました。その一つが横田基地に司令部を置く在日米軍に、陸海空3自衛隊を一括して指揮する軍事作戦司令部の自衛隊統合作戦司令部との連携を担う部署を創設することです。同部署の人員は港区六本木の「赤坂プレスセンター」(麻布米軍ヘリ基地)を拠点に日常的に新宿区市ケ谷の防衛省・自衛隊との連絡・調整を行います。

「台湾有事」に即応

米軍の統合部隊司令部は、「台湾有事」など東シナ海、南シナ海での有事に即応する司令部として、米インド太平洋軍の指揮下に日本やオーストラリアに設置を計画しています。

麻布米軍ヘリ基地撤去実行委員会の板倉博共同代表は「今までも連絡の中継基地としてヘリが頻繁に離着陸していましたが、軍事作戦で自衛隊に指図する重要な部署を置くことで、いっそうヘリの飛来が増え騒音や墜落の危険が増します。軍事作戦を指揮する重要拠点になれば、有事にはテロや攻撃の対象にもなりかねません。日本全体が米国の行う戦争に巻き込まれ、米軍指揮下で戦争することになり非常に危険です」と話します。

国道16号を挟んで横田基地を望む福生市の公園で、「横田基地の撤去を求める西多摩の会」が09年から毎月第3日曜日に実施している座り込み行動は3月で丸16年192回、4月から17年目に入りました。参加者は「日米安保条約は日本を守るためにあるわけではない。米軍の戦争を日本に代わりにさせ、日本を戦争に巻き込むものだ」と訴えました。

オスプレイの格納庫(中央)など施設建設が進む横田基地(しんぶん赤旗提供)

横田基地は、ここ数年だけでも米空軍特殊作戦機CV22オスプレイの関連施設をはじめ燃料の輸送・貯蔵施設、大型輸送機の駐機場など新たな施設が次々建設されています(表)。航空輸送に加え、インド太平洋地域で作戦する米軍航空部隊への燃料供給や空中給油、飛行場整備、特殊作戦部隊の投入など拠点化が進み、核兵器搭載可能なB52戦略爆撃機も飛来。在日米宇宙軍も創設されるなど軍事作戦を指揮する司令部としての機能も強化されています。

「PFAS汚染」も

西多摩の会の奥富喜一代表は「日米軍事一体化が進むなかで、横田基地は目に見えて強化されています。新たな施設も次々建設され、戦争の準備が進んでいることを感じます。横田基地が汚染源の多摩地域の有機フッ素化合物(PFAS)汚染も大きな問題で、日本側の調査を拒んでいるのが日米地位協定です。横田基地を撤去するために、アメリカ言いなりではなく、憲法を守り安保条約を廃棄する政治に変えることが必要です」と訴えます。

25年第1回都議会の本会議質問で横田基地の問題を取り上げたのは日本共産党だけです。2月26日の代表質問で、清水とし子都議はPFASの汚染についての立ち入り検査、赤坂プレスセンターの撤去、事故が多発するオスプレイの飛行中止について小池百合子知事に対応を要求。「都が今やるべきことは、憲法9条を生かした外交で平和をつくるよう国に働きかけることだ」と迫りました。

(「しんぶん赤旗」2025年5月16日付より)

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