米戦略に組み込まれる危険

サイバー防御法案 山添議員が追及

質問する山添拓議員=13日、参院連合審査(しんぶん赤旗提供)


参院内閣・総務・外防連合審査会

 日本共産党の山添拓議員は13日の参院内閣・総務・外交防衛連合審査会で、米国がサイバー戦略を変更する中で同盟国に能力強化の役割を求めている実態を示し、日本が米国のサイバー戦略に組み込まれる危険性を追及しました。

 米国防総省は2018年に、米国のシステムにサイバーの脅威が到達する前に敵対者の発信源近くで対処する「前方防衛」戦略を採用。米サイバー軍が他国に出向き、ネットワークの脅威を見つけ捕らえる作戦を実施しています。

 山添氏は、米サイバー軍が日本への部隊派遣を打診したが国内法の未整備を理由に断ったとの報道に言及。能動的サイバー防御法案で受け入れは可能かとただすと防衛省の家護谷(けごや)昌徳サイバーセキュリティ・情報化審議官は「根拠規定は置かれていない」としたうえで「詳細については答えを控える」と述べました。山添氏は「国家主権にかかわる問題だ」と指摘し、詳細を明らかにするよう求めました。

 さらに、米国の保守系シンクタンク「民主主義防衛財団」が23年に、同盟国に求めるよう提言した「攻撃的サイバー能力」についてただすと中谷元・防衛相は、米国防総省の教範に攻勢的サイバー作戦があることを認め「敵のシステムの物理的損傷や破壊を伴う武力行使に及ぶ行為を含む」と説明。山添氏が今後自衛隊が同能力に取り組むかとただすと「主体的に判断し行う」と述べ、否定しませんでした。

 山添氏は、政府は同法案による他国へのサイバー無害化措置は自衛権の行使としての武力行使ではないとするが、サイバー攻撃が国連憲章の禁ずる武力行使にあたるかの統一した見解はないとして、相手国が武力行使と受け取り、報復やエスカレーションを招く危険があると指摘。「サイバー空間での戦争準備を合法化するなど許されない」と批判しました。

(「しんぶん赤旗」2025年5月14日付より)

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