「しんぶん赤旗」主張 都議選の争点 水道料

巨大噴水より料金引き下げを

高さ150メートル、幅250メートルとなる世界最大級の巨大噴水―。昨年9月、小池百合子都知事が発表したお台場海浜公園につくる「ODAIBAファウンテン」(仮称)です。この構想に、都庁舎などを照らすプロジェクションマッピングに続く無駄づかいだとの批判が沸き起こりました。

都民生活には目を向けず無駄づかいを進める小池都政と、それを支える自民党、都民ファーストの会、公明党。こうした都の姿勢をただし都政を大本から変えることが6月の都議選の大きな課題です。

日本共産党都議団は、巨大噴水建設の発表直後から調査を行い、都議会で問題点を明らかにしてきました。

■水道水を垂れ流し

一つ目は検討経過がブラックボックスだということです。情報開示された都の検討資料には、知事に報告し了承を得たという文書がありません。「記録を残さずに、知事に相談、報告、意向確認する場が都庁には存在しているのか」とただしましたが、まともな説明はありませんでした。

二つ目は「国内最大級」で検討されていた噴水が「世界最大級」に変更されたことです。これも党都議団の質疑で明らかになりました。「世界最大級」にしたことで26億円もの巨額の建設費が投じられることになりました。

さらに重大なのは、当初、海水を噴き上げると説明し予算を計上していたのを、予算案発表後の2月、水道水を使うと方針を変えたことです。配管の設置などでさらなる費用増が想定されますが、都は予算を再積算せず「予算の範囲で行う」と強弁しました。

噴き上げた水道水はそのまま海に流されます。それが一年中行われます。水の無駄づかいにほかなりません。

都は海水利用の場合で維持管理費は年2億円としています。水道水に変えれば水道代が余分にかかるはずですが、いくらかかるのか質問に答えず、「(2億円の)範囲でやる」としか言いません。

■滞納で給水停止増

一方で小池都政になってから、水道料金滞納による給水停止が激増しています。小池知事が就任した2016年度は給水停止件数は約10・6万件でした。ところが22年度には約18万件、23年度は約16・6万件となっています。

滞納世帯に対し訪問して支払いを求めていたのを、効率化を理由にやめ、督促状を送り支払いがないと水道を止めるため、生活困難の実態が把握されないまま無情な給水停止が増加しています。

水道は極めて重要なインフラで、止められれば命を脅かします。都民には容赦なく給水停止をする一方、お台場の巨大噴水では大量の水道水を噴き上げ海に垂れ流す―。水を出すところが違います。

共産党都議団は暮らしの支援として水道料金の消費税分の10%の引き下げを求めています。必要な額は約195億円です。都の予算は一般会計で9兆円を超え税収増だけでも5400億円に上ります。すぐにでも実現は可能です。

都民の暮らしよりも、巨大噴水などの無駄づかいに興じる都政を大本から変えるため、日本共産党都議団の議席確保・議席増が不可欠です。

(「しんぶん赤旗」2025年5月11日付より)

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