声届け政治動かす 給食費無償化・学費値上げストップを

参院東京選挙区(改選数6、補選1)は、日本共産党の吉良よし子氏と自民、立憲の現職に加え、国民民主が新人2人を擁立。自民も2人目を立てる動きがあり、公明、れいわ、社民、石丸新党なども新人を擁立。大激戦となる模様です。
吉良事務所責任者の志摩和寿氏は「吉良氏のこの6年間の実績は、現役世代に支持を広げる力を持っている。激戦を勝ちきるには、比例を軸に都議選と一体に取り組み、現役世代にどれだけ浸透できるかが重要だ」と話します。
痛みよりそい
現在2期目の吉良氏は「就職氷河期」世代。自身も何十社も受けてたった1社からしか内定を得られなかった経験をしています。初当選以来、氷河期世代の代表として働く人を使いつぶす社会を変えるために力を入れてきました。若者に違法・無法な働かせ方を強いる企業の実態を告発し、悪質な企業の社名公表を求め、当時の安倍晋三首相と論戦。違法行為を繰り返す企業の社名公表制度を実現させました。吉良氏の信条、「痛みによりそい、声を届ける」「あなたと共に政治を動かす」をいかした活躍です。
参院文教科学委員を長く務め、特に教育問題での活躍が光ります。学校給食費無償化、理不尽な校則、大学学費値上げの問題などを厳しく追及してきました。2017年、国会ではじめて頭髪の黒染め強要など理不尽な校則による人権侵害の問題を告発。21年には当時の萩生田光一文科相から「人権、人格を否定する校則は望ましくない」との答弁を引き出します。
答弁引き出す
今年、大学の学費値上げが相次ぐなか、全国120超の大学の学生たちが相次ぐ学費値上げに反対し、値上げを撤回させるための予算措置や、給付型奨学金の拡大などを政府に求めました。これに連帯し、値上げをやめ値下げ、無償化を目指すよう政府に求めてきた吉良氏は「アルバイト漬けで勉強する時間がない」「高すぎる学費のせいで大学をやめなければいけなかった友人がいる」といった学生の訴えを国会で直接石破茂首相にぶつけました。
4月の街頭演説で「首相は経済的理由で教育が受けられないことはあってはならないと言うが、教育予算を増やすとは言わないのはおかしい」と指摘。教育予算の2倍以上に増加した軍事費ではなく、教育にこそ予算を回すべきだと訴えました。
吉良氏の活躍は、都議会野党第1党の共産党都議団との緊密な連携によるものです。都議団は義務教育の無償を掲げる憲法26条を根拠に、学校給食の無償化を長らく要求してきました。しかし都は学校給食法で食材費が保護者負担となっていることなどを盾に要求を退けてきました。
流れを変えたのは吉良氏の国会論戦。18年12月、「学校給食法は自治体の全額補助を否定していない」という答弁を文科省から引き出しました。1951年、文部事務次官が共産党議員に「学校給食費も無償化することが理想」と答弁していた事実を取り上げたことが政府を追いつめました。
この答弁を力に都議団は奔走。23年12月にはついに無償化条例案を4会派共同で提案しました。このことが小池知事の態度を変えさせ、都による半額補助が実現します。そして、都内で給食無償化が実現していたのは22年4月時点で6自治体のみだったのが、今年1月には全62市区町村へ拡大するに至りました。
吉良氏は「都議団19人の議席と、国会での日本共産党の大きな議席があってこそ、政治を前に動かし、皆さんの声を届けることができます」と訴えます。「もっと届けなければいけない声があります。皆さんとともに頑張りぬき、選挙を勝ち抜いていく決意です」(高塚風太)
(「しんぶん赤旗」2025年5月9日付より)