女性公務員 非正規・低賃金は間接差別 大幅賃上げ 格差なくせ

❚ 参院予算委で田村副委員長 経済政策転換迫る

 「財界・大企業の要求に応え『人件費コストカット』にひた走った結果が、今日の経済停滞だ」―。日本共産党の田村智子副委員長は28日の参院予算委員会で、「人件費コストカット」で非正規雇用を拡大させてきた経済政策の転換を迫るとともに、男女賃金格差の是正を求めました。(論戦ハイライトはこちら


質問する田村智子副委員長=28日、参院予算委(しんぶん赤旗提供)

 田村氏は、自民党政治のもと、この30年間、正社員のリストラ・非正規雇用への置き換えなど「人件費コストカット」が行われてきたと指摘。非正規雇用の拡大は民間企業だけでなく、公務員でも同様の問題だとして、公務職場の男女賃金格差の実態を告発しました。

 田村氏が全省庁に問い合わせ独自に調べた「国の公務員の男女比(2022年度)」(表)によると、正規職員数は、男性約20万人、女性約5万9000人なのに対し、非正規職員数は、男性約3万人、女性約6万人となっています。さらに、女性の非正規公務員の平均賃金は254万円で、民間の非正規労働者全体の平均賃金よりも50万円も低いことが判明しました。

 田村氏は、「ここまでの男女格差に衝撃を受けた。女性への間接差別そのものではないか」と追及。地方公務員も非正規雇用の75%が女性だとして、「まずは公務職場で最低賃金を1500円にして非正規の大幅な賃上げを行い、間接差別をなくすことで模範を示すべきだ」と求めました。

 河野太郎国家公務員制度担当相は、「任用は適切に行われている」「間接差別という指摘はあたらない」と繰り返し、まともに答えませんでした。

 田村氏は、非正規公務員は極めて専門性の高い仕事を担う一方で、3年ごとに公募に応じ、採用されなければ働き続けられないと指摘。「安心して働き続け、経験や専門性を評価して賃金が上がる仕組みに踏み出すべきだ」と迫りました。

 田村氏は、非正規は公務・民間も「ハラスメントを問題にしたら契約更新されない」「育児休暇を申請したら次の契約がない」などの不安を抱え、短期契約がゆえに「ものが言えない」弱い立場に置かれていると強調。「これは、非正規で働く多くの女性たちにとって、生活の安定だけでなく、個人の尊厳にも関わる問題だ」として、恒常的業務の細切れ契約を禁止するよう重ねて求めました。

(しんぶん赤旗2023年11月29日付より)