外苑再開発 ラグビー場は現在地整備で共産党都議団 都要請受けJSC申し入れ

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 日本共産党都議団は9月20日、多数の樹木を伐採する神宮外苑再開発(新宿、渋谷区)で、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の諮問機関イコモス(国際記念物遺跡会議)が再開発撤回を求める「ヘリテージ・アラート」発令などを受け、改めて秩父宮ラグビー場の移転建て替えを中止し、現在地での再整備を検討するよう盛山正仁文部科学相と日本スポーツ振興センター(JSC)あてに申し入れました。

 田村智子参院議員(衆院比例予定候補)、宮本徹衆院議員(同)、吉良よし子参院議員、坂井和歌子衆院比例予定候補が同席しました。
 イコモスは「ヘリテージ・アラート」(9月7日)で、事業者の三井不動産、明治神宮、伊藤忠商事、独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)の4者とともに、国・文部科学省に対しても再開発の中止・見直しを求める緊急要請が行われました。国際環境影響評価学会日本支部は都に対し、環境影響評価は「科学的議論は不十分だった」と勧告しています。
 都は9月12日に、JSCを含む事業者に対して、新ラグビー場敷地の既存樹木伐採の着手前までに、環境影響評価書で検討を行った結果として樹木の保全に関する具体的な見直し案と、さらなる樹木保全策を示すよう要請しました。
 申し入れで原田あきら都議は、都の要請への受け止めをただした上で、「再開発事業者はイコモスとの意見交換をしていない」として、JSCの責任で意見交換の場を設けるよう要求。ラグビー場建て替えで「屋根付き施設ではラグビーの醍醐味が失われる」というスポーツ関係者の声を示し、当初の「ラグビー専用施設」から、イベントにも使える施設に計画変更した経緯を明らかにするため、黒塗り資料の情報公開を求めました。
 文科省は出席せず、JSCの担当者は「申し入れの趣旨は事業者間で共有するが、樹木の取扱いについては事業者間で調整するので、この場では答えない」と具体的な回答は拒否しました。
 また、原田都議らは、ラグビー場建て替えのPFI(民間資金による公的施設運営)施行者を再開発の都市計画決定前に公募を始めていた問題について指摘。JSC担当者は「法令に反していない」と居直りました。
 和泉なおみ都議は「国民に経緯を知らせず専門家の意見も聞かずに、再開発事業を進めたことで大きな問題になっている。問題が知られれば知られるほど反対の声が広がっている。法律にさえ反していなければよいというのか」と厳しく指摘。宮本議員は「取り返しのつかないことになる前に、公的な立場にあるJSCとして社会的責任を果たしてほしい」と訴えました。