志位委員長の訴えを聞く人たち=11日、東京都千代田区(しんぶん赤旗提供)

 200人を超える区市町村議会議員、19人の都議会議員、東京選出の6人の衆参国会議員を擁する東京の日本共産党議員団。議員団の連携、都民の運動との連携プレーで東京全体の政治を前に動かす巨大な力を発揮してきました。その活躍ぶりを三つの角度で縦横に語った志位和夫委員長の演説(11日)から紹介します。

暮らしと福祉を良くするという自治体の一番の仕事で抜群の働き

 第一は、住民の暮らしと福祉を良くするという自治体のいの一番の仕事で、目が覚めるような抜群の働きをしてきたということです。「とくにこの4年間は、地方政治にとっての半世紀をかけた歴史的な課題で、大きな前進をつくり、花開かせてきた4年間」と強調した志位氏は、四つの課題でその流れを明らかにしました。

子どもの医療費助成――区市町村議員団、都議団の連携プレーで全国トップレベルに

 東京は、革新都政のもとで老人医療費の無料化などでは全国の先進をいく取り組みがされましたが、自公都政に変わるもとで、子どもの医療費助成のスタートは全国的には遅れていたんです。この遅れを取り戻して、全国で最も進んだ制度にまで発展させたのは、新日本婦人の会のみなさんをはじめとする都民の運動と、共産党の区市町村議員団、共産党都議団の連携プレーでした。

 東京では、子どもの医療費無料化を求める運動は1968年に始まっています。政党としては日本共産党が初めて議会に提案しました。医療費助成の最初の突破口を開いたのは、中野区と清瀬市でした。ここから始まって、他の自治体にも広がっていきます。そうしたなか、都議会で、共産党都議団が1987年からは12回連続の質問をやり、4回の条例提案をやる。子どもの医療費の助成制度をつくろうと、最初に口火を切ったのは共産党でした。その時に妨害したのは誰か。自民党は「断固反対」と言った。公明党は「スタンドプレー」と言った。しかし、世論が広がるなかで、ついに1994年に、都の制度として3歳未満の医療費助成が初めて実現することになりました。

 次の転機になったのは、1997年の都議選での日本共産党の26議席への大躍進です。共産党が大躍進して、都議会でこの問題での条例提案を行いますと、それまで反対していた他の党が慌てて同調していく。そして2001年には、都の制度として小学校就学前まで制度が拡充されました。そうしますと区市町村の無料化がどんどん広がっていきます。2009年には、都の制度として中学校卒業まで制度が前進しました。

 さらに、もう一つの転機となったのは、2013年、17年、21年、日本共産党の都議選での3連勝であります。この力で条例案を提案し、ついに今年4月、2023年度から都の制度として「高校卒業まで」を実現することができました(拍手)。調べてみますと、都道府県の制度として「高校卒業まで」の医療費助成をやっているのは全国に五つの都県しかないんです。都民のみなさんの運動、共産党区市町村議員団の頑張り、そして共産党都議会議員団――50年にわたる連携プレーで、遅れを取り戻して、東京は全国トップレベルになりました。

 ただ課題も残っています。都の制度には、所得制限と一部自己負担が残っているために、多摩の地域の多くの自治体では、所得制限と一部自己負担が残っています。共産党全員勝利で18歳までの子どもさんの医療費を完全無料にしようではありませんか。(拍手)

学校給食無償化――区議団の奮闘とともに、国会での吉良質問が大きな力に

 学校給食の無償化でも大きな変化が起こりつつあります。志位氏は、1951年の国会で日本共産党の岩間正男参院議員が義務教育無償を定めた憲法26条にもとづき「義務教育の無償をどの程度まで果たすべきと考えているのか」とただしたのに対し、政府が「現在は(無料は)授業料だが、教科書、学用品、学校給食費、交通費などを考えている」と答弁したことを紹介。その後の変化を語りました。

 この間、この課題が、大きな波になって前に動き出しました。今回、東京で突破口を開いたのは葛飾区です。2008年に共産党の葛飾区議団が給食費無償化について区民アンケートを行い、2009年には全国に先駆けて無償化に踏み出した山口県の和木町を訪問して調査を行いました。議会で提案し、論戦を繰り返すなかで、葛飾区では、2013年に、第3子からの給食費無償化が実現します。これを突破口にして、一歩一歩と広げて、ついに今年4月、23年度から給食費無償化が実現したとうかがいました。この葛飾の頑張りが影響を与えまして、北区、品川区、荒川区、中央区、世田谷区、足立区(中学校)も4月からの無償化が実現したとのことであります(拍手)。給食費無償化の大きな波が東京で起こっています。

 この波を起こすうえで、共産党区議団の奮闘とともに、国会での共産党の論戦が、無償化への壁を乗り越える後押しとなったということを、私は紹介したいんです。共産党の区市町村議員団が給食費の無償化を提案しますと、当局は、「学校給食費は法律で『保護者負担』と書いてある」と言って拒んできました。この壁を崩したのが、2018年の吉良よし子参院議員の質問でした。吉良さんは実情を調べ上げて、どこがネックかを突き止めて、給食費無償化を訴え、給食の食材費について自治体が全額補助することを「否定されない」という答弁を文部科学省から引き出したんです。これはたいへん重要な意義をもつ答弁になっていきました。吉良さんの質問の後、区市町村の当局の答弁もだんだん変わってきて、「必要性は理解するけど、財政負担が大変」という調子になってきた。そこで、財源だったらこういう道がありますよとセットで提案するなかで、先ほどご紹介した給食費無償化の大きな波が起こっています。

 全国の自治体でも、給食費の無償化が広がっていますけれども、東京で、人口数十万の自治体で次々に実現への道を開いているのは、全国的に見ても素晴らしい先駆的な取り組みだと思います。

 みなさん。共産党の勝利で、憲法通り、東京のすべての自治体で学校給食を無償化し、さらに国の制度として無料にしようではありませんか。(拍手)

 志位氏は、給食費無償化の取り組みも「妨害をはねのけてのものだった」と指摘。新たに無償化を決めた荒川区では公明党議員が昨年9月の区議会で葛飾区が給食費無償化を進めていることを批判し、「自治体間で争わせることは絶対してはいけない。決して区の単独で、パフォーマンスに思われるような決断で実行してしまうのはやめていただきたい」と否定していたことをあげ、「こういう党には東京の未来を託すわけにはまいりません」と訴えると、「そうだ」の声援が飛びました。

補聴器購入補助――都議会での論戦を力に、都内18自治体に拡大

 志位氏は、補聴器購入費の補助でも、共産党の区市町村議員団と都議団との連携プレーが、購入費助成制度を東京で急速に広げる力になっていることを明らかにしました。

 ここでも妨害がありまして、共産党議員団がこの提案をしますと、自民党、公明党などは、「なぜ高齢者だけに補助を出すのか」と言うそうです。若年の難聴者もいるではないかということだと思いますが、だったら若年の方にも、高齢者の方にも、みんなに助成するのが政治の当たり前の姿ではないですか。

 しかし、この問題でも都民の世論が広がるなかで、2019年3月、都議会で突破がはかられました。共産党都議団が補聴器購入助成を提案するなかで、「高齢者を支える区市町村の取り組みを支援していきます」という答弁を都から引き出しました。そして、区市町村が補助制度をつくれば費用の半分は都が負担することを明らかにさせました。

 この答弁を生かして、共産党が区市町村議会で支援制度をどんどん提案する。そういう中で、2019年度には九つの自治体だった補聴器購入補助が、22年度には2倍の18自治体に一気に拡大しつつあります。ここでも前進の波が起こっている。共産党の勝利で、「聞こえの支援」を全都に広げようではありませんか。(拍手)

ジェンダー平等の東京――「痴漢ゼロの東京」に一歩、パートナーシップ制度の拡大

 ジェンダー平等の東京をめざす取り組みでも「この間、素晴らしい前進がつくられています」と志位氏は語りました。

 都議会で米倉春奈都議が先頭に立って、共産党の都議団が「痴漢ゼロの東京」をつくろうという提案をしました。この提案は世論に大きなインパクトを与えて、ついに1月27日、東京都は、23年度に5千万円の予算をつけて「痴漢撲滅プロジェクト」を始めることを明らかにしました。運動と論戦でつくった大きな成果であり、「痴漢ゼロの東京」が実現するまで、力をあわせていく決意を申し上げたいと思います。(拍手)

 同性カップルの権利を大切にするパートナーシップ制度が、東京でもこの間大きく広がっています。2015年に渋谷区、世田谷区で開始しました。中野区にも広がりました。足立区ではこういうことが起こりました。自民党の区議が、同性愛が広がれば「足立区が滅びる」と議会で発言し、大問題になり、謝罪、撤回に追い込まれました。このとんでもない攻撃をはね返すなかで、共産党区議団の奮闘と区民のみなさんの運動によって、2021年からより進んだファミリーシップ制度が足立区では実現しました。パートナーシップ制度は、都内で、10区、6市まで広がっています。ここでも都民のみなさんの運動との連携プレーで大きな希望ある波が起こっているのです。

 この問題でも、妨害するものがいます。阻んでいるのは政治の姿勢です。この間、岸田首相の秘書官が差別発言で罷免されました。とんでもない発言ですが、もともとあの発言は、岸田首相の発言との関係で出てきたものじゃないですか。同性婚の法制化を求められて、首相は、「家族観、価値観、社会が変わってしまう」と言って背を向けた。岸田首相は慌てて「ポジティブな意味で言ったんです」と言ったけれど、社会が変わって「しまう」と言ったんです。こういうのをネガティブというのではないでしょうか。明治以来の古い家族観、価値観に縛られた政治を変える必要があります。みんなで力をあわせて、ジェンダー平等の東京、ジェンダー平等の日本をつくっていこうではありませんか。

国の悪い政治から都民を守る「防波堤」の働き

 東京の共産党の地方議員団の第二の大きな働きは、国の悪い政治の押し付けから都民を守る「防波堤」の働きです。

 もともと地方自治体は、国が悪い政治を押し付けてきた場合に、住民を守る「防波堤」になって働くのが当たり前の仕事です。ところが、東京の自治体の約9割は共産党以外の「オール与党」議会で、市長の言うことはなんでも賛成という状況の下で、悪い政治の「防波堤」になるどころか、悪い政治を呼び込んでしまう――こう指摘した志位氏は、「防波堤」の役割を一身に担っている日本共産党地方議員団の役割を二つの熱い焦点で訴えました。

「地域医療構想」――共産党を伸ばして病床削減ストップ、拡充に切り替えよう

 一つは、医療の問題です。この間、政府は、「地域医療構想」の名で急性期のベッドの削減の大号令をかけてきました。東京都は、この号令に従って、1万3591床も減らす計画を立てました。この間すでに、4895床が減らされました。コロナのもとでの医療崩壊の重大な原因になりました。コロナでこんなに医療がひっ迫し、崩壊しているのに、急性期のベッドをこれ以上削減するなど、とんでもないことです。

 しかも、この財源は消費税なんです。ベッドを削った病院には、消費税を財源にして手当を出す。こういう仕掛けなんです。話が違うじゃないですか。消費税を上げる時になんて言ったか。「社会保障のため」と、あれほど言ったじゃないですか。そうやって、みなさんから消費税をしぼりあげておいて、こともあろうに病院のベッドを減らすために、それを使うなどという、血も涙もない政治は許してはなりません。

 ところがこの問題に対して、都議会でも、区市町村議会でも、真正面から反対しているのは日本共産党だけであります。ここは医療を守る正念場です。共産党を伸ばしていただいて病床の削減をストップさせて、拡充に切り替えようではありませんか。(拍手)

「国保の都道府県化」――東京の党議員団の値上げを抑える二つの頑張り

 もう一つの国からの悪い政治の号令は、「国民健康保険の都道府県化をやれ」という号令であります。

 これまで高すぎる国保料を抑えるために、区市町村が独自に一般会計から国保会計を支援してきました。それに対して国は、「国保料の独自支援で国保料に格差が生じている。負担を一律にするために、都道府県は区市町村に対して、独自の支援をやめるように指導せよ」という号令をかけてきたのです。自治体間に格差があったら、国保料が低い方にあわせるのが当たり前ではないですか。高い方にあわせるために支援をやめてしまえとは、ひどい政治ではありませんか。

 このひどい政治に唯々諾々と従ってきたのが東京都です。2018年から始まった「国保の都道府県化」の4年間で、都内の62自治体のうち59自治体で、共産党の反対を押し切って値上げが強行されました。

 ただ、私が、ここで強調したいのは、この問題で“やられっぱなしではない”ということなんです。東京の共産党地方議員団の値上げを抑える頑張りは際立ったものがあります。二つほど紹介いたします。

 この間、全国を見ますと、国による「国保の都道府県化」の号令で、国保料負担を軽減するための独自支援をしている自治体は、1718自治体のなかで、わずか269自治体、15%まで激減してしまいました。しかし、東京では、党地方議員団の頑張りで、62自治体のなかで58自治体、93%では負担軽減のための支援を維持しているんです。

 たとえば立川市では、値上げの可否をめぐって激しい攻防が展開されました。2020年の予算議会で共産党が提案した値上げ中止の予算修正案が自民党と公明党によって否決されました。しかし、コロナの危機のもとで、あまりにひどいではないかとの批判が高まりました。そうしますと議会が終了後、何と市長さんから「値上げを元に戻したい」との要請があったといいます。びっくりするような要請ですが、よほど矛盾がひどかったのでしょう。そして、一度議決した値上げが中止になりました。そのための補正予算案が出てきましたが、中身を見ますと共産党が提案した予算修正案そのものだったそうです。しかし、今度は市長の提案ですから、自民、公明も賛成せざるを得なくなり、21年度の値上げは中止になりました。22年度も、23年度も国保料は据え置きになりました。

 調べてみますと、全都の党地方議員団の奮闘で、2022年度について言いますと、東京の13の市町村で国保料の値上げを食い止めています。値上げを抑えるためにこういう頑張りをしているのが共産党地方議員団だということを、私は誇りを持ってみなさんにお伝えしたいと思います。(拍手)

 共産党の地方議員団は、この問題でもう一つ、大きな頑張りをやっています。高すぎる国保料のなかでも、とくにひどいのは「均等割」という仕掛けです。共産党は、これを軽減せよということを一貫して言ってまいりました。「均等割」というのは、事実上の人頭税のような仕掛けでありまして、家族が1人増えますと1人5万円などと、国保料があがる。東京23区ではほとんどの区が1人5万5300円です。家族が1人増えると5万5300円、国保料があがる。ひどい制度です。赤ちゃんが1人生まれたら5万円あがる。おむつをつけている赤ちゃんに国保料を払えるわけがない。まったく理不尽な制度です。

 この「均等割」の負担軽減でも、先駆的な頑張りをしてきたのが、共産党地方議員団です。2012年の昭島市を皮切りに、東大和市、清瀬市、武蔵村山市、武蔵野市で、市独自での「均等割」の負担軽減制度を実現しました。

 そうしますと今度は、この東京の取り組みが全国を励まして、わが党の国会での追及とあいまって、昨年4月から国の制度として、小学校就学前の「均等割」は半分になりました。しかし、小学校に入学すると満額負担になってしまう。「入学祝い」を出すというならわかるけれど、「入学ペナルティー」というのはあまりにひどい。どうか、共産党を伸ばしていただいて、子どもさんの「均等割」はゼロにして、国保料の大幅引き下げを実現しようではありませんか。(拍手)

地方政治のゆがみを大本からただす働き

 第三の働きは、地方政治のゆがみを大本からただす働きです。

 東京の自治体はたいへんに大きな財政力を持っているのに、共産党以外の「オール与党」議会の下で、無駄な大規模開発にお金が使われて、暮らしに回らないという問題があります。志位氏は「住民からおあずかりした大切な税金は、暮らし、福祉、教育に優先して使えと、地方政治のゆがみを大本からただす働きをしているのが日本共産党です」と強調、次のように語りました。

 一つだけ、みなさんにご紹介したいのは、この4年間だけで、東京の区市町村のため込み金――積立金などが、何と5千億円も増えているんです。5千億円あったら何ができるか。たとえば、東京のすべての小中学校の給食費を無償化にするために必要な予算は400億円程度です。ですから、これを全額、区市町村で負担しても、10年分以上が無料になるじゃありませんか。かりに、東京都で半額負担すれば、20年間分以上が無料になるじゃないですか。この4年間に増えた分だけを使っても、住民のために使うという姿勢さえあれば、たくさんのことができます。ただ、これは、自治体のゆがみをただすという立場に立ちませんとできないことです。

 どうか共産党を伸ばしていただいて、東京都の持っている、あるいは東京都の区市町村の持っている巨大な財政力は、住民のために使わせようじゃありませんか。(拍手)

(しんぶん赤旗2023年2月17日付より)