米軍横田基地からオスプレイ超低空飛行訓練 和泉・尾崎都議が青森・小川原湖で調査

宝の漁場わがもの顔 共産党都議が調査「配備中止を」

水しぶきで機体全体が隠れるほどに超低空飛行をする米軍機オスプレイ=8月10日、青森県東北町(しんぶん赤旗提供)

横田基地(東京都福生市など)の米軍機CV22オスプレイが超低空飛行(ホバリング)訓練を繰り返し、大きな問題になった青森県東北町の小川原(おがわら)湖。1年たった今もわがもの顔で危険な訓練は行われ続け、住民や漁業者に怒りや不安が広がっています。(高橋拓丸)

小川原湖は、63・2平方キロメートルある青森県最大の湖です。多くの水産資源を要する漁場で「宝沼」と呼ばれ、レジャーに多くの人たちが訪れる観光地でもあります。

小川原湖そばの道の駅で買い物をしていた東北町の女性(63)は「怖いですよね。また事故が起きて湖に油(燃料)が流れでもしたらと思うと不安です」と話します。

事故続発

小川原湖は、湖畔の一部を米軍三沢基地(三沢市)により占有されており、米軍機による事故を経験してきました。1992年には戦闘機の部品投棄、2018年にはF16戦闘機のタンク投棄があり、このときは地元漁業者の禁漁が1カ月に及びました。

米軍機CV22オスプレイによる危険な訓練が大きな問題になったのは、2021年6月。超低空飛行を繰り返すのを日本共産党の市川俊光町議が撮影し、多くのメディアで採り上げられ、日本共産党やさまざまな市民団体も抗議を行いました。しかし米軍は自治体や漁協に事前告知をして今年7、8月に同様の訓練を繰り返しました。

小川原湖で漁業を営む男性に見せてもらった漁協からの通知には、安全のために漁業・航行を制限すると書いてあります。男性は「誰も何も言えない状況ではいけない」と語ります。

市川町議は、事前告知さえすればいくらでも訓練できる状態になっていると指摘。「通告では『救難訓練』となっているが、実際には訓練内容は『敵基地攻撃』のためのものだ。憲法上も、安全・環境保護の願いからも容認できない」と語ります。

響く爆音

オスプレイの訓練を現地調査する和泉都議(左)と尾崎都議(右)(しんぶん赤旗提供)

8月10日に行われたホバリング訓練。湖畔には、日本共産党東京都議団の和泉なおみ幹事長と尾崎あや子都議の姿がありました。横田基地から飛び立ち、各地で行われている危険な訓練をやめさせるための現地調査です。

この日の訓練では、オスプレイが大きなプロペラ音をあたり一帯に響かせながら、吹き上がった水しぶきが機体全体を覆い隠す超低空飛行を繰り返していました。

横田基地のオスプレイは、21年6月には山形県の空港に、9月には宮城県の空港に緊急着陸するなど、東北の空で事故を繰り返しています。米空軍は22年8月17日、クラッチの不具合を受けてCV22オスプレイ全機の飛行中止を決定しました。

基地の敷地外で行われるホバリング訓練を初めて見た尾崎都議は、「東京都と同じ危険な訓練が各地で行われている状況がよく分かりました。欠陥機を配備して、飛行中止の直前まで危険な訓練を続けていたことは許されません。横田基地のオスプレイ配備中止を求めて、都への申し入れなどに取り組みます」と話します。

(「しんぶん赤旗」2022年9月1日付より)