「灰色の政治からカラフルな政治へ、東京12区から政権交代を」。衆院東京12区(北区全域と足立、板橋、豊島各区の一部)は、市民と野党の共同候補・日本共産党の池内さおり予定候補(比例重複)が議席獲得を目指し、自公選挙協力で新旧交代を図ろうとする公明公認・自民推薦候補(比例現職)に立ち向かっています。日本維新の会の新人候補も宣伝を強めています。(内藤真己子)
幅広い市民と野党が「池内さん勝利で政権交代を」と奮起しています。「みんなで選挙@東京12区」などの無党派市民は、市民と4野党の共通政策を紹介する独自ビラを作成。街頭で「政権交代」のシール投票を呼びかけながら配布しています。「ひどい政治が続いていいはずない。消費税や教育費を下げて」(2児の母親・41歳)、「首相の顔が替わっても政治の中身は同じ。野党がまとまって良かった」(年金生活・81歳)。期待が集まりました。
対立軸明確
「市民連合あだち」の沓澤大三共同代表は、こう意気込みます。「消費税減税や医療費削減政策の転換、原発のない脱炭素社会も野党の共通政策となり、自公政権との明確な対立軸ができた。立憲民主党と共産党が政権合意し、しっかりした共産党から市民の願いが届く回路ができたことも画期的です。池内さんで、勝ちにいきたい」
立民、社民、新社会各党と無所属の区議らが池内予定候補のパンフに登場し推薦、街頭に立っています。立民のうすい愛子北区議は、「自公政権でジェンダー平等社会はかなわない。政権交代すれば選択的夫婦別姓制度やLGBT平等法が実現できます」と話します。
「あなたの痛みを政治に届ける。コロナ対策にまで自己責任を持ち込んだ政治を終わらせたい」。自公政権の「原則自宅療養」方針のもと、入院できず在宅死した人、5人家族全員が家庭内感染しても食料支援なし―。対話を重ねてきた人々の「痛み」に心を寄せ、いのちと暮らし最優先に、気候危機打開など「四つのチェンジ」を語る池内さんの訴えが有権者の心を広くつかんでいます。
北区では三つあった保健所が1カ所に減らされコロナ禍でパンク。透析治療を行う同区の生協北診療所では感染した透析患者が入院できず亡くなりました。大場俊英所長は語ります。「自公政権による40年来の医療費削減で病床が減らされました。医師や看護師不足が放置され、コロナ禍で救える命が失われました。いまこそ新自由主義路線の転換を訴える共産党の躍進と池内さんの勝利で政権交代が必要です。要になる共産党の躍進は欠かせない」
公明候補は、新政権発足直後から岸田文雄首相との2連ポスターを猛スピードで張り出しました。岸田氏の「連立政権の要として応援」のメッセージや、元外資証券役員の候補を「経済のスペシャリスト」と押し出す宣伝で自公政権統一候補をアピール。自民国会・地方議員を動員し、業界団体へのテコ入れを強化しています。
10日は北区赤羽駅前で、野田聖子少子化担当相が来援しての大規模演説会を開催。野田氏は「がんばろう。厳しい」と訴えました。陣営はコロナワクチン対策や防災対策で実績を強調しますが、大規模検査や十分な補償などの願いに背を向けています。創価学会員から「コロナ禍の庶民には通じない」との声が漏れます。それだけに「共産党には絶対負けられない」と、学会組織の全都・全国動員を強化。あらゆるつながりで知り合いを訪ね支持を訴える行動を日々、加速させています。
全有権者へ
池内予定候補は前回8万3544票(得票率38・3%)を獲得、公明現職に迫りましたが及びませんでした。現状は力関係を覆すに至っていません。共産党と後援会は、「比例は共産党」を軸に党への支持の大波を広げ、1人区で勝ち抜こうと全有権者規模での宣伝や対話に奮闘しています。
(「しんぶん赤旗」2021年10月15日付より)