少年法制にゆがみ/参院法務委で可決 山添氏が反対

反対討論に立つ山添拓議員=20日、参院法務委(写真提供:しんぶん赤旗)

18、19歳の少年事件を刑罰化する少年法改定案が20日の参院法務委員会で、自民、公明、国民民主各党の賛成多数で可決されました。日本共産党、立憲民主党、日本維新の会、参院会派「沖縄の風」「碧水会」は反対しました。

同委員会での質疑で共産党の山添拓議員は同法案について、18、19歳の扱いを成年年齢引き下げに合わせるのが目的で、被害者の権利保護を出発点としたものではないと指摘。「立法事実が乏しく、少年法制にゆがみをもたらす法案であり、断固反対だ」と強調しました。

山添氏は、家庭裁判所は被害者・遺族への配慮として、家裁調査官による聞き取りなどの措置を取っていると指摘。成人と同様の刑事手続き(検察への送致=逆送)にかける対象事件を拡大する同法案の下、刑事処分の対象となれば、「被害者や遺族への聞き取りも検察官の方針次第となる。被害者・遺族への聞き取りが質的に変容する」と迫りました。

最高裁の手嶋あさみ家庭局長は「調査の在り方が変容するとは認識していない」と答弁。山添氏は、被害者の権利保障と少年の権利保障は対立させるべきではないとの識者の指摘(6日、参考人質疑)を挙げ、「双方を考慮し、犯罪被害者を生まない社会をつくることが重要だ」と強調しました。

(「しんぶん赤旗」2021年5月21日付より)