【羽田新ルート】 騒音 夏さらに悪化の恐れ

住民の不安や反対の声に背を向けたまま、29日から始まった羽田空港(東京都大田区)を発着する旅客機の新飛行ルート運用。

東京都心や川崎市などの上空を低高度で飛行するため、騒音の懸念は拭えません。
同じ経路や高度で今年1~2月に行われた確認作業でも大きな騒音が記録されており、夏季にはさらに悪化する恐れがあります。

羽田空港の新ルート(「しんぶん赤旗」より)

国土交通省が設置した東京、神奈川、埼玉の3都県の騒音測定局での実測値によると、最も騒音が大きかった場所は空港近くにある川崎市東部の研究所。
最大は94デシベルとパチンコ店内を超えるレベルでした。

東京都大田区の小学校でもゲームセンター店内程度の騒音を計測。
特に大型機のエンジン音が大きく、住民の生活にも影響するレベルでした。

同省によると、気温の高い夏季には空気の密度が低くなるため、よりエンジンの出力を高める必要が生じます。
そのため、騒音がさらに大きくなる可能性があるといいます。

着陸時のルートは港、品川、渋谷、新宿各区などの上空を300~1000メートル程度の高さで飛行。

南風が吹く夏場に運用されるケースが多くなると見込まれています。

ルート付近の住民の間には、運用開始を懸念する声も出ています。

騒音対策などを求める市民グループ代表で、渋谷区在住の女性(31)は「仕事の電話にも影響している。仕方ないとは言っていられない」と話しました。

(2020年3月30日付「しんぶん赤旗」より)