東京都が実施する都内全公立中学生対象の「英語スピーキングテスト」(ESAT―J、英スピテスト)を、入試に活用しないよう求める市民集会が13日、今年の本試験(11月22日)を前に都内で開かれました。オンライ含め60人以上が参加しました。都は2022年から同テストを導入し、今回で5回目。当初から公平・公正性に疑問がもたれ、トラブルも相次いでいます。

「入試改革を考える会」代表で、武蔵大学教授の大内裕和さんは、都内公立中学校で同テストを受験しない生徒が年々増加し、25年度には9・5%に上ったと報告。「都立高校入試を受けない人は受験しなくてよい」との指導がなされているとの声もあるとし、「これでは中学校での達成度を測るアチーブメントテストとしてきた都の実施理由は崩壊している」と強調。「『アチーブメントテストだから必ず受けるように』と指導している中学校の生徒との不公平も重大な問題だ」と指摘しました。
25年度は5段階で1番上の評価A(80~100点)だった生徒が47・2%と約半数を占めました。大内さんは、このことについて、「入試活用しても点差があまり意味をなさない試験となっている」と説明。
元中学校教員の柏村みね子さんは「本来はペアで話す授業ができるところ、英スピテスト対策で個々にタブレットに話しかけ異様な雰囲気になった」などの教員のアンケート回答や、ある設問に無回答だった生徒が100点だったとの声を紹介し、「評価の妥当性に疑問の声が多数ある」と指摘。分量が多く難しい英語教育を強いられる現在の学習指導要領のもと、無力感を味わわされている中学生にとって、「パターンを覚え、機械的な特訓を要するESAT―Jは更なる負担であり、教育的な意義は乏しい」と強調。
その上で、「都教委はグローバル人材の育成を唱える前に、都の教育を支え、遂行する大事な人材である教員の力を信じ、その声に耳を傾けるべきだ」と訴えました。
課金の有無で
メッセージを寄せた中学3年生の保護者は、スピーキングテストの模擬試験の案内チラシが学校で2回配られ、1回3300円で「侮れない20点」と保護者の不安をあおっていると指摘。「進路がかかった重大な試験なのに、対策への課金の有無が結果に直結するという新たな不公平が生まれている。力を合わせて入試活用をやめさせたい」と述べました。
入試活用中止を求める都議会議員連盟の立憲民主党系会派、日本共産党都議団、グリーンな東京の各都議が発言。
共産党の清水とし子都議は「指導監督者のミスが多いために再試験となる生徒が多いという事実を繰り返し指摘してきた結果、都教委は問題ないとしてきたが指導監督者の研修内容を不十分ながらも一部変更した。引き続き(受験者と保護者の)アンケート結果による事実をもとに追及し、中止に追い込んでいきたい」と述べました。
