東京地裁研修も業務と認める KLM航空の雇止め無効

 「完全勝訴だ」―裁判所前に勝利幕が掲げられました。17日、KLMオランダ航空に、雇止めをした原告3人の無期雇用社員としての地位を確認するとともに、雇止め以降の賃金支払いを命じる判決が東京地裁で出されました。
 オランダを代表する航空会社のKLMは日本人客室乗務員を有期契約社員として採用。客室乗務員らはオランダでの2カ月の乗務訓練後に5年間乗務し、実質的な通算労働期間は5年2カ月でした。原告らは労働契約法18条(2014年4月施行)の無期転換ルール「有期雇用で5年間を超えた場合、労働者の申込で無期雇用になる」を満たすとして、2019年1月無期雇用を申し込みました。ところが、同年5月に雇止めされました。
 客室乗務員らは、ジャパンキャビンクルーユニオン(JCU)に加盟し、雇止めの無効などを求め労働審判を申し立て、2019年8月に完全勝利の決定が出されました。しかし、KLMの異議申し立てにより本訴訟に移行しました。
 原告弁護団は「被告は訓練が労働ではない、会社の利益にならないと主張した。訓練は個人として必要なことを身に着けるのではなく、業務上必要なことを身に着けるためだということが認められた」と述べました。
 原告は「2年間、本当に大変でした。訓練は会社の指示なのに、なぜ反論するのかという思いがありました。この日を迎えられてうれしい」と喜びを語りました。
 JCUの木谷憲子委員長は「今日は第3陣が完全勝利しましたが、この流れを止めない」と支援を訴えました。KLMの雇止め事件裁判は、後に29人の原告が続きます。