週平均2.7日、夜間・早朝も 麻布ヘリ基地 飛来状況を調査し公表

 港区六本木にある米軍基地・赤坂プレスセンター(麻布ヘリ基地)をめぐって、同基地への米軍ヘリコプターの飛来状況を、市民団体「在日米軍司令部移転・強化に反対する会(仮称)」が19日に記者会見で発表しました。早朝・夜間の飛来や、長時間にわたってエンジンをかけ続けるアイドリングなど、基地被害の実態が明らかになりました。

 同会のメンバーらは、米軍ヘリの目撃状況を、通信アプリLINEのグループで共有し、集計しています。今年3〜11月分の結果を報告しました。調査は2022年から行っていますが、今年3月に麻布ヘリ基地近くの住民がメンバーに加わって、精度が大きく上がったため、そのデータをまとめたものです。
 集計の結果、平均の飛来日数は週に2・7日、飛来があった日1日につき平均4・5回(離陸、着陸をそれぞれ1回として計算)の飛行でした。
 飛行する時間帯は午前9時台が55回、午前8時台が39回、午後3時が38回の順でした。それ以外の時間帯も、午前10時台から午後8時台までまんべんなく、飛行しています。さらに、朝7時台、夜9時台と、早朝や夜間の飛行も複数、確認されました。
 従来は日米地位協定に基づく協議機関である日米合同委員会の開催に合わせて、午後0時〜1時の飛来が多かったのが、傾向の変化がみられるといいます。日米の連携強化を進めるため、同ヘリ基地内に在日米軍の「自衛隊統合作戦司令部協力チーム」が4月に新設されたことで、日常的な飛来が増えているとみられます。
 また、曜日別にみると水曜日が142回、火曜日が100回、木曜日が68回の順でした。これまでは、日米合同委員会が隔週木曜日に開かれており、木曜日の飛来が多かったといいます。同委員会が、木曜以外にも開催されるようになったためと推測されています。

オイル臭の被害も
 同基地内には、5分以上、待機する場合はエンジンを切るよう求める看板が、米軍の手によって設置されています。
 しかし、調査によると、20分を超える長時間アイドリングが、この間に18回ありました。うち8回は午後7時〜8時台でした。トランプ大統領が10月に来日し、同基地に降り立った際は、90 分間を超えるアイドリングが2回にわたってあったといいます。
 会見では、近隣の住民からの声として、「ヘリコプターが来るたびに、騒音とオイル臭のために、家の窓を閉めなければいけない。30分以上もアイドリングが続くときもあり、長いほどオイル臭もひどくなる」「大統領が来日した際は、飛来が多く、オイル臭もすごくて、喉が痛くなった」と悲痛な訴えが読み上げられました。
 調査をまとめた「麻布米軍ヘリ基地撤去実行委員会」の板倉博共同代表は、「傍若無人で、他国の首都でこんな好き勝手が許されてよいのか」と強調しました。同委員会の宮内鶴代事務局長は「長年の取り組みと、新しい参加者の協力で、高い精度で実態が明らかになった。本来は、国や都の責任でやるべきことだ」と、行政による調査の必要性を訴えました。

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