都議会は17日、小池百合子知事の出席のもと、上・下水道や都営交通など公営企業の2024年度会計決算を審議する特別委員会を開きました。日本共産党から尾崎あや子都議が質問(30分)に立ちました。

公営企業決算特委共産党 尾崎都議が追及
給水停止16万件
尾崎都議は水道料金滞納世帯への給水停止件数が高止まりしている実態を示し、改善を求めました。水道料金の滞納をめぐっては、都水道局が2022年4月から世帯を検針員が訪問し事情を聴く「訪問催告」から、文書で支払いを求める「郵送催告」に切り替えて以降、給水停止が急増。24年度の停止件数は約16万5000件です。
尾崎都議は「22年の17万9000件から高止まりだ。水道が止まれば命にかかわる。高止まりが続く状況を重く受け止め訪問催告の再開を厳しく求める」と述べました。
4つの「謎」が
一連の重要プロセスで肝心なことは都民、議会に何一つ明らかにされていない―。尾崎都議は都が臨海部に計画する壮大なむだ遣いと批判される巨大噴水「ODAIBAファウンテン(仮称)」整備計画を巡る「闇と謎」を追及しました。
同計画はお台場海浜公園(港区)に新たな賑わいを創出するためとして、高さ150メートルに届く高射噴水と横幅250メートルの噴水を組み合わせた世界最大級の噴水をつくるというもの。来年3月完成を目指しています。
発表は2024年9月の小池百合子知事の定例
記者会見でした。しかし、直前の都知事選では一言の言及もなく、整備費26億円、維持管理費年間1・5億円から2億円と明かされたのは発表から2カ月後。しかし、その金額の積算根拠はいまだ未公表です。
都は当初、無料の海水を吹き上げると説明していたのに、有料の水道水に突然変更しました。尾崎都議は暮らしが大変で水道料金が払えない都民への水道を都は停止する一方で、巨大噴水に水道水を大量に利用することに、「水の使い方が間違っている」という怒りの声が多数届くと指摘しました。
「これまでの質疑を通して闇と謎が深まるばかりだ」として、▽都港湾局が小池知事に噴水計画を説明した記録が残っていない▽国内最大級の噴水だった計画がなぜ世界最大級に変更されたか▽海水利用から水道水に変更された理由と経過▽水道水を利用しても維持管理費は海水利用の枠内に収まるとする根拠―の4つの「謎」について順次ただしました。
都は今年1月末、小池知事が海水利用を前提とした予算案を発表した直後に水道水利用に変更しました。尾崎都議がその不自然さを追及。噴水にかかる水道料金を尋ねたところ、山口真水道局長は「特定の使用者の料金が分かる質問には答えられない」と〝謎〞の答弁拒否。
尾崎都議は5分の演出を1日10回実施した場合、水道料金は年間1億1100万円となる試算を指摘。「巨額な水道代と命綱である貴重な水道水を大量に消費する計画の事実をつつみ隠さず全て明らかにすべきだ」と追及。説明拒否は都議会のチェック機能を奪う重大な侵害だとして、「闇と謎に包まれた壮大な無駄遣い事業は中止すべきだ」と訴えました。
バス運転手不足
深刻化するバス運転手不足による路線の廃止・縮小が相次いでいます。都バス運転手は2021年度2209人から24年度2078人と3年間で131人も減少。同時期に廃止11路線、減便が156便に及び、その後も減便が続き、住民生活に深刻な影響が出ています。
尾崎都議は都民の移動を支える公共交通としての都営交通維持の重要性について、小池知事の認識を質問。「公共の福祉の増進を実現することが求められている」とし、「都市生活や都民生活を支えられるよう交通局では事業運営に取り組んでいる」と答弁しました。
尾崎都議は「公営企業として公共の福祉の増進を実現することは大変重要」と指摘。バス運転手は都民の暮らしを支えるエッセンシャルワーカーだと強調。区独自に月額2万円の居住手当・借り上げ住宅費補助など運転手確保策を実施している葛飾区の例を挙げ、これまでにない支援策を要望。夜間定時制の生徒対象の職場体験などを例に挙げ、関係者と意見交換しながら、バス運転手の養成や人材確保・維持を目指すよう提起しました。
小児料金の軽減
公共交通の小児運賃について、先進国では18歳や19歳まで半額・無料が主流の一方、日本は半額は小学生までが主で、通学定期を含め交通費が保護者の大きな負担となっています。
尾崎都議は都営交通で中学、高校生の交通費負担軽減や学生フリーパスなどに踏み出すことが重要だとして、都の認識を質問。堀越弥栄子交通局長は「運賃は交通事業における基幹的な収入で、経営状況や事業を取り巻く環境などを踏まえ設定するもの」と答弁。
尾崎都議は民間鉄道・バスで小児運賃の値下げの動きが相次いでいるとし、「公共の福祉の増進を目的とする都営交通が負担軽減に足を踏み出すのは当然だ」と主張。都営地下鉄の通学定期収入は乗車料全体収入(1487億円)の3・4%(50億円)、小児の定期外収入は同0・5%(7億円)にすぎないことを答弁で明らかにしました。
その上で、実現すれば「子どもの未来に希望が見える施策となる」とし、「57億円で小学生の都営地下鉄の運賃も通学定期も無料に、28億5000万円で現状の負担額を半減できる。東京都の財政力なら実現可能だ」と提起。
カナダ、ドイツ、イギリスなどの大都市や首都の実例も挙げ(図参照)、「世界一の都市を目指すというなら、こうした流れに学ぶべきだ」と強調。「対象年齢は都条例を改正すれば変えられる」として、都営交通が「18歳まで」子ども料金に率先して踏み出すよう強く求めました。

