杉並区長選(6月28日投票)で他候補に大差をつけて再選した岸本聡子区長(51)は9日、2期目就任の記者会見に臨み、「目指したいのは安心を守ることと幸せを創ることが両立する杉並です」とビジョンを示し、選挙中に示した公約実現の課題にも触れながら、今後4年間の区政方針について語りました。

最初に挙げたのが、物価高騰に対する緊急経済対策です。区長をトップとする組織横断的な「経済対策会議」(仮称)を速やかに設置し、緊急支援策や地域経済の活性化策を検討・推進するとしました。イラン戦争の影響で売り上げが減少した中小企業を支援するための特例資金を創設。今年8〜12月に申し込む「小規模企業小口資金」の融資の利率を実質ゼロにするなど経営負担の軽減をはかります。
区民向けには生活自立支援窓口の設置や個人住民税・国民健康保険料の納付相談、住民税非課税世帯などを対象にしたエアコン購入費助成などを挙げ、「困った時には区役所に相談に来ていただきたい」「区役所の専門性を発揮して必要な支援を届けたい」と話しました。
公約実現すぐ着手
公約にも掲げた70歳以上の都民が利用できるシルバーパス(公共交通乗車証)の購入費を一律1000円にする助成や区立中学校修学旅行費の無償化について、「単なる経済的なサポートだけでなく、未来につながる投資にしたい」として、すぐに検討に着手するとしました。
選挙で争点となった課題についても語り、善福寺川上流地下調節池については「東京都と地域住民の双方に信頼される調整役をしっかりと果たしていく」「丁寧な説明や樹木保全、分かりやすい情報提供、双方向の対話が実現するよう都と連携して取り組む」と強調しました。
また、学童クラブの待機児童対策では「2028年度の解消を目指して整備を推進し、児童館や放課後等居場所事業の充実など、子ども一人ひとりが成長段階に応じて選択できる安全安心な居場所を地域で増やしていくなど、複数の対策を総合的に進めていく」としました。
区長選では岸本区長が掲げる「対話の区政」に対し、「決断できない」などと相手陣営から攻撃されました。岸本区長はこのことを念頭に「私は対話を続けることと意思決定することが矛盾しないと思っている。区民の声を丁寧に聞きながら必要なことは責任を持って決断し、一歩ずつ前へ進めていきます」と意気込みました。
改訂作業を進める総合計画について、「地域での暮らしを通じて、誰もが健康で幸福な生活を実現できるまちづくり」である「スマートウェルネスシティ」の考え方を据えて話し合いたいと説明。
同時に「全ての人の尊厳を守ること、私らしく安心して生きることを大切にする杉並区、つまり人権を基盤とする議論も深めていく」とし、「マイノリティの方が安心して生きられる地域社会は、全ての人に優しい社会だと私は信じている」と力を込めました。
