山添議員照会 防衛省認める

米軍横田基地(東京都福生市など)でのパラシュート訓練(11月)による落下物を回収するため、在日米軍が福生市の児童館敷地内に無断侵入した問題を巡り、防衛省は29日までに、日米地位協定など両国間の取り決め上正当化できる根拠がないことを日本共産党の山添拓参院議員の照会に対する回答文書で認めました。
同訓練では11月18日に米兵が基地外に落下し住宅の一部を損壊する事故が発生。周辺自治体などが訓練中止を要請したものの、米軍は要請を無視して20日に訓練再開を強行し、今度は福生市内の児童館の敷地内にパラシュートを落下させる事故を起こしました。しかし、米軍は日本側に通報しないまま夜間に児童館に許可なく侵入し、パラシュートを回収していました。
山添氏は12月16日の参院外交防衛委員会で、地位協定に基づく日米合同委員会は公共に影響を及ぼす事件・事故は「速やかに関係の防衛施設局に通報する」と求めているとして、米軍側が通報しなかったのは合意違反だと指摘。児童館への無断侵入行為には地位協定上正当化できる根拠があるかと追及しましたが、防衛省は「協定上の解釈についての議論は関係省庁とも米側とも行っていない」などと開き直っていました。
しかし同省は今回の山添氏への回答では「日米地位協定及び関連取り決めにおいて、米軍が施設管理者に連絡なく立ち入ることができるという明示の規定はない」と認めました。
基地外での米軍の行動を巡っては、沖縄県内の繁華街での憲兵隊によるパトロールにも地位協定など日米間の取り決めなどの根拠がないことが山添氏への外務省の回答で明らかになっています。法的根拠のない米軍の行動を放置している日本政府の対応は主権を損なう重大問題です。
(「しんぶん赤旗」2025年12月30日付より)
