民意切り捨て許さない 田村委員長が緊急街宣

許すな定数削減

自民・維新の衆院定数削減法案提出は許されないと訴える田村智子委員長=6日、東京・池袋駅西口(写真は「しんぶん赤旗」提供)

 日本共産党の田村智子委員長は6日、東京・池袋駅前で衆院議員定数削減に反対する緊急の街頭宣伝を行いました。田村氏は、自民党と日本維新の会が5日に衆院議員定数「自動削減」法案を共同提出したことを厳しく批判し、「多様な民意を切り捨てる法案を与党だけで押し通すことは許されない。反対の声を緊急にあげよう」と訴えました。

 田村氏は、両党が臨時国会で成立を狙う同法案が比例代表の定数削減を柱とし、少数意見の排除につながると指摘しました。日本の人口100万人当たりの国会議員定数は経済協力開発機構(OECD)加盟38カ国中36番目で最低水準にあると述べ、「すでに民意が反映されにくい現状がある。選挙制度改革というなら、国民の声を届きにくくしている小選挙区制度こそ抜本的に見直すべきだ」と強調しました。

 また、田村氏は自民党の裏金事件など「政治とカネ」の問題の解決こそが真に必要な政治改革だと主張しました。今国会では、高市早苗首相や小泉進次郎防衛相の支部が政治資金規正法の定める上限を超えて企業から寄付を受けていた問題が発覚。「しんぶん赤旗」のスクープで、片山さつき財務相が大臣規範に反する大規模な政治資金パーティーを開催していたことも明らかになったと紹介し、「企業・団体献金の全面禁止こそが政治改革であり、定数削減は問題のすり替えだ」と批判しました。

 議員定数削減に反対する声は国会内外で広がっており、田村氏は同日付「読売」の社説が衆院定数削減は「憲政の常道に反する暴論だ」と断じていることに触れ、「日本の民主主義が危機にあることの表れだ。あなたの思いを切り捨てる定数削減は許さない、その一点で共同を広げよう」と呼びかけました。

 多くの通行人が次々とビラを受け取り、議員定数削減に反対する請願署名にも応じました。演説を聞いていた会社員(40)=練馬区=は「メディアも一斉に批判し始め、小さな声がつぶされる危機感は多くの人が共有していると思う」と語りました。

(「しんぶん赤旗」2025年12月7日付より)

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