
参院選を前後して広がった外国人らへの差別・排外主義をあおる政治の克服へ向け、日本共産党東京都委員会は18日、「多文化共生の東京へ」と題したシンポジウムを渋谷区の党本部で開きました。オンライン同時中継では1100人以上が視聴しました。
山添拓、吉良よし子両参院議員、宮本徹前衆院議員・東京比例候補、岩崎明日香党幹部会委員、沢田あゆみ新宿区議、谷川智行・党政策副委員長がパネリストとして報告しました。
この中で山添、吉良両氏は、国会における差別・排外主義的主張の動向を批判。吉良氏は「大きな転換点となったのは、参院選直前に文部科学省が大学院博士課程在籍学生の支援制度の対象を『日本人学生』に絞ると打ち出したこと。学生支援の予算を増やさず、国籍の違う人同士で取り合いさせるのは愚の骨頂だ」と指摘しました。
宮本氏は、参政党などが扇動する「外国人が医療や生活保護などで優遇されている」というデマに、事実を詳しく挙げて反証。沢田氏は、外国籍の住民が人口の14%を占める新宿区で多文化共生の取り組みを進めてきた一方、区長や維新の会などが外国人差別を持ち込んでいる状況を述べました。
岩崎氏は「侵略戦争と植民地支配に反対してたたかってきた日本共産党の歴史は、現在につながっている」と強調。谷川氏は、医師として食料支援・生活相談に取り組む中で、まともに医療を受けられず苦しんでいる外国人の実態を紹介しました。
会場の参加者から「排外主義的な主張が広まっているのはなぜか」などの質問が寄せられ、吉良氏は「差別をあおる政党・政治家と、生活に苦しむあまり、その政党に投票した有権者とは違う。『生活苦を押し付ける政治を一緒に変えよう』と対話していきたい」と答えました。
(「しんぶん赤旗」2025年10月19日付より)