事故わずか2日
在日米軍横田基地(東京・多摩地域5市1町)で20日、米軍がパラシュート降下訓練を再開しました。基地外の羽村市への降下事故からわずか2日間での再開に、住民団体から「住民の安全を無視した再開は許せない」と批判の声が上がっています。
横田基地の監視活動を続けている羽村平和委員会によると、20日は岩国基地(山口県岩国市)の米海兵隊KC130J空中給油機から午後2時51分に7人、3時5分に5人が降下。5時4分には横田基地のC130J輸送機から2人が降下しました。
防衛省北関東防衛局が20日に周辺自治体に行った情報提供では、米軍は事故後18、19両日の訓練を中止し、使用機材や手順について徹底した点検を実施し20日にも訓練を再開する予定だと通告。再開理由を「搭乗員および関係部隊の即応態勢を維持することは不可欠だ」などとしていました。
横田基地の撤去を求める西多摩の会の奥富喜一代表は「私たちの抗議が伝わっていないのか。基地外への兵員の降下が初めて公式に確認された重大事態を起こしたのに、住民への謝罪もなく、住民の安全を脅かす訓練を再開するなど許せない。住民感情を逆なでするもので直ちにやめるべきです」と批判しました。
基地外降下は米陸軍の兵士
在日米軍横田基地(東京・多摩地域5市1町)でパラシュート降下訓練中に基地外に降下した米兵は、米陸軍の兵士だったことが20日わかりました。2012年1月以降、頻繁になった横田基地での米軍による降下訓練は空軍、海兵隊だけでなく沖縄に駐留する陸軍第1特殊部隊群第1大隊(通称・グリーンベレー)も実施しており、今回も同部隊による訓練の可能性があります。
防衛省北関東防衛局が19日夜に周辺自治体に行った情報提供によると、18日夕に羽村市内に降下したのは米陸軍兵士。横田基地配備のC130J輸送機からの降下訓練中に、主パラシュートが作動せず、緊急手順に従い予備パラシュートを開き、作動しなかった主パラシュートとともに降りたと説明しています。米側の死者、損害については深刻な負傷は確認されていないとしていますが、基地外での被害、影響などについては確認中といいます。
(「しんぶん赤旗」2025年11月22日付より)
