都議会( 定数1 2 7) は8 月28日、2024年度の政務活動費(政活費)の会計帳簿や領収書、収支報告書などを公開しました。交付総額は7億3600万円、そのうち使ったのは6億6947万円で、執行率91・0%でした。原資は都民の税金で、「政治とカネ」が問題となる中、各会派には支出内容の透明性や使い方が問われています。
各会派に問われる使い方

政活費の会計帳簿や領収書の公表は2009年度分(当時は政務調査費)から始まり、今回で16回目。それ以前は8項目の支出合計額を記載した収支報告書(A4版1枚)が公表されるだけでした。
曖昧な事務所費
日本共産党都議団は政活費の領収書等を公開する条例提案を繰り返し行い、2006年から自主公開に踏み切りました。現在のような公開制度は、その4年後に始まりました。
そうした中、飲食を伴う会合や視察と称しての海外旅行への支出などに対し、都民から厳しい視線が向けられるようになり、使途の厳格化など改革も一歩一歩進んできました。
一方、政治活動や政党活動と区分が困難な地元事務所への経費や地元秘書への人件費などへの支出は、現在も一部認められ、公表される文書に黒塗りが多すぎるなどの課題が残っています。
都議会の基準より厳しい独自基準で政活費を運用している日本共産党都議団は、地元事務所費への支出はゼロです。
都議一人50万円
政活費は議員一人当たり月50万円(2016年度まで60万円)を、所属会派に公費で支給します。使わなかった分は都に返還します。
支出全体を項目別に見ると、「広報紙発行費」の3億756万円が最多で、45・9%を占めました。作成費や新聞折り込みなどの経費が含まれます。次いで事務職員らの「人件費」が2億3942万円、35・8%でした。
都政チェック提案に不可欠
日本共産党都議団は、都議会報告発行費(広報紙発行費)と都議会内の控室に常駐する政務活動専任の事務局職員の人件費に多くを充てています。24年度分は人件費44%、都議会報告発行費が41%を占めました。
里吉ゆみ幹事長談話(8月28日)で、その理由について「都民への都政・都議会の情報が少なすぎる」ことを挙げ、「都議会報告の発行を特別に重視している」と述べています。
また「巨大な都庁組織に対して都議会本来の役割である都政のチェックの機能と、都民の願いを実現するための政策提案という二つの役割を果たすことができるよう、議員と力を合わせて都の政策や予算分析を行う政務活動専任の事務局職員を配置するための人件費が大きな比重を占めている」としました。
さらに返納額が912万円と例年より多額になったことについて、都議会自民党の裏金問題の全容解明の調査に集中して取り組んだことにより、1月発行予定の都議会報告を見送ったためと説明しています。
その上で政活費について「都議会に求められる都政のチェックと提案、都民への都政・都議会の情報提供のために必要不可欠」だとして、「その意義・役割にふさわしく、厳格に活用・運用していく」と表明しています。