虐殺の歴史忘れるな

東京・墨田区 朝鮮人犠牲者追悼式典

追悼碑の前でクンジョルをする「語り継ぐ会」の白いチマ・チョゴリを着た参加者ら=1日、東京都墨田区(「しんぶん赤旗」提供)

 関東大震災発災から102年を迎えた1日、東京都墨田区で「朝鮮人犠牲者追悼式典」が開かれました。大震災下で軍隊や警察、自警団に虐殺された朝鮮人・中国人・日本人社会運動家を追悼しました。「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼碑を守り、語り継ぐ会」によるクンジョル(朝鮮半島の伝統的で丁寧なお辞儀)も行われました。主催は同実行委員会です。

 宮川泰彦実行委員長はあいさつで、虐殺された人々への追悼は自然災害の犠牲者と追悼の仕方が違うと話しました。その上で、国は専門会議から虐殺を指摘されても「専門家の調査であって国の調査ではない」と見て見ぬふりをしていると指摘。追悼式典の開催は絶対に同様の悲劇を起こすことがないよう朝鮮人、中国人をはじめ外国人と共生するわれわれの責務だと参加者に呼びかけ、引き続き式典を開きたいと話しました。

 日本共産党から大山とも子、とや恵津子、清水とし子、せいの恵子、斉藤まりこの各都議が参加しました。斉藤氏があいさつし、二度と同じ過ちを繰り返さないためにも差別や排外主義を許してはならないと政治家が示すことが求められていると強調。今年も共産党都議団が申し入れをしたが、小池百合子都知事が追悼文の送付を拒否したことに「歴史修正や民族差別を助長するもので断じて許されない」と指摘しました。

 式典にはさまざまな人が追悼に訪れました。勝俣誠明治学院大学名誉教授は、フランス・パリ市はアルジェリア戦争時に市内で行われた虐殺について認めたが、小池知事は朝鮮人虐殺の歴史も認めず追悼文を送っていないと述べ、「国際都市としてありえない」と話しました。直接、集いに参加するのは初めてだと話す浅川典子さん(品川区・60代)は、「柵に囲まれることもなく穏やかに普通に追悼できる日が来てほしい」と話しました。京都市在住の川北浩司さん(60代)は、「1年に1回、歴史に向き合う忘れてはいけない日だ」と話しました。

(「しんぶん赤旗」2025年9月2日付より)

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