元兵士の精神的被害伝える

東京九段・しょうけい館 展示会始まる

「心の傷を負った兵士」の展示会=24日、東京都千代田区(「しんぶん赤旗」提供)

 第2次世界大戦での過酷な戦場体験による後遺症や精神的被害を受けた元兵士の経験を紹介する「心の傷を負った兵士」の展示会が、東京都千代田区九段の「しょうけい館」で23日に始まりました。10月19日まで。

 心の傷を負った兵士たちの治療を手がけた国府台陸軍病院や傷痍(しょうい)軍人療養所を紹介。「変人扱いされ馬鹿にされている」「痴呆(ちほう)そのもの」といった元兵士たちの被害を伝える証言も紹介しています。

 展示では、陸軍での戦争末期4年間の戦争病者は分かっているだけでも約785万人で、うち67万人が「精神病・その他の神経症」だったと説明。政府は昨年、国として初めて、兵士やその家族の「心の傷」に焦点を当てた調査を始めました。

 同館の北村明事務局長は「今年戦後80年を迎える中、このような展示を初めておこなった。多くの人に見ていただきたい」と語りました。今後は常設展示も計画中です。

 24日、岐阜県から来た男性は「こういう展示は良い。恥の部分を知らせることは大切だ」と述べました。日本兵のPTSD(心的外傷後ストレス障害)を国会で初めて取り上げた日本共産党の宮本徹前衆院議員は、展示を見て、「国は被害を直視し、調査対象を拡大し、不戦の誓いを社会で共有する契機にしていくべきだ」と訴えました。

(「しんぶん赤旗」2025年7月25日付より)

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