初参加が3分の1に
参院選で日本共産党都委員会は、渋谷区千駄ヶ谷の共産党本部1階に東京ボランティアセンターを開設しています。3日の公示日に開所し、13日までにセンターの活動に参加した人は、のべ605人を超えました。ビラ折りやポスティング、電話かけ、宣伝など、思い思いの活動で、「日本共産党に参院選で勝利してほしい」と行動しています。センターの一日を取材しました。


センター入り口の外には、吉良よし子東京選挙区候補と、小池晃比例候補の大きな全身パネルの看板が立てられ、人目を引きます。
取材した10日、11時にセンターが開くと、さっそく、女性が入ってきました。
「毎日のように、ありがとうございます」とスタッフが声をかけると、「いえいえ、近所なので」と笑顔に。「今日は、これから三鷹の駅前の街頭宣伝でテントを出すんです」との言葉に、「宣伝が終わって電車に乗れば、(次の用事に)間に合うから、手伝えますよ」と、和気あいあいと会話が進みます。
9日夜までにセンターを訪れて活動したのは200人以上、さらに9日夜に参院選では初めてのスタンディング(新宿駅東南口)に50人が集まりました。
センターを訪れた200人のうち、3分の1ほどが、今回の参院選で初めて選挙ボランティアに参加したと答えています。
センターでは、9日までに、ビラの証紙貼りを3万枚、配布用のビラ折り6万枚、近隣の地域などへのポスティングで2万枚を配布しました。
SNSで呼びかけ
参院選では一部の陣営から外国人差別、女性蔑視などの主張が、飛び交っています。センター長の大田朝子さんは、「『差別と分断は許さない』という思いで、駆けつけてくれるボランティアがとても多いのが今回の特徴です。人権と民主主義を守ろうと、共産党のボランティアに参加してくれる姿に、私たちも励まされている」と話します。
街頭演説中のスタンディングで掲げる政策プラカードも、「差別分断、許しません」と書いたものが、特に人気だといいます。また、センターで販売している「NO WAR NO HATE」(ノーウォーノーヘイト)と書いたTシャツやタオルは売り切れました。
センターでは、SNS上の発信、拡散にも力を入れています。この日も、吉良候補が動画で選挙情勢を語り協力を呼びかける動画をライン公式で発信したほか、吉良候補への応援メッセージを動画に撮影し、それを動画作成が得意なボランティアの人たちが編集して、センターのXアカウントで発信しました。SNS向けのコンテンツを作成してもらうための「切り抜き素材置き場」も公開しています。
少しの時間でも
10日夜は、都内各地がゲリラ豪雨に覆われ、予定していた街頭演説や、スタンディングも中止になりました。
それでも、センターには、仕事の合間や、帰り道など、「少しの時間でも」とビラ折やポスティングに協力しようという人たちが、駆けつけていました。
7時5分に、街頭演説が中止になった吉良候補が姿を現しました。ボランティアから「お疲れさまでした」と声がかかり、吉良氏も「連日、ありがとうございます」と握手を交わしながら笑顔に。
7時45分、センターが閉まる15分前には調布市在住の女性が訪れました。新宿区に勤めていて、仕事帰りに近所でポスティングするためのビラを受け取りに訪れ、せっかくだからと、ビラ折にも参加していました。
ボランティアは参院選が初めてで、「昨年の総選挙で、しんぶん赤旗の、裏金非公認候補の党支部にも自民党本部が政党助成金を振り込んでいたというスクープを見て、『赤旗、えらい』と日曜版を取り始めた」といいます。「人権や気候危機への共産党の姿勢に、特に共感する」と話していました。
向かい合ってビラを折っていた女性も、参院選が初の選挙ボランティアです。「総選挙で、共産党の政策が良いなと思っていたのに、結果がよくなかった。都議選でも、住んでいる自治体で現職が落選する残念な結果で、思うところがあって」と、参加した理由を話します。
「誰かを切り捨てるのではなく、みんなそれぞれに苦しいことがあるから、みんなで良くしていこうという共産党の政策」に共感しています。
二人は、「共産党は極端とか言われがちだけど、そんなことないと思う」「これだけ差別的で極端なことを言う政党が出てきたなかで、むしろ、まっとうで、普通のことを言っていると、多くの人に知ってほしい」と語り合いながら、センターが閉まる8時まで、ビラを折り続けていました。