参院選 共産党「3人5人と支持広げて」
「参院でも自公を少数に」を最大の焦点にたたかわれる参院選(20日投開票)は、自公の過半数割れの可能性が現実味を帯びるもとで、文字通り一票を争う大激戦のまま、最終盤を迎えます。

吉良よし子候補 当落線上で大激戦・大接戦
比例代表(改選50議席)は各党が総力をあげた空前の政党対決の様相で、過去の結果からも僅差で当落が決まる可能性があります。日本共産党は東京100万票、全国650万票の獲得で目標の5議席を目指していますが、まだ目標までに距離があるとして、「3人、5人、10人と支持の輪を広げてほしい」と訴えています。
東京選挙区(改選6、任期3年の補欠選挙1)では吉良よし子候補が多くの有力候補と当落線上で大激戦・大接戦のたたかいを繰り広げています。日本共産党は「他党から『吉良候補は大丈夫』という論が意図的に広められ、票の削り込みが狙われているが、現状は大丈夫が成り立つ余地はまったくない。痛みに寄りそい、声を届ける宝の議席を守り抜くために、投票箱のふたが閉まるまで支持を広げ抜いてほしい」と呼びかけています。
ラストサンデー吉良候補駆ける
ラストサンデーとなった13日、吉良候補は山添拓参院議員とともに買い物客で賑わう繁華街を駆け巡りました。銀座4丁目交差点でマイクを握った吉良候補は「あなたのこの苦しみを取り除く政治を実現するまで絶対にあきらめません。あなたの1票で日本共産党の吉良よし子を3度国会へ押し上げてください。比例は日本共産党と広げてください」と熱く訴えました。
吉良候補は照りつける日差しの中で演説を聞いている聴衆に、水分補給など体調管理に気をつけるよう気遣った上で、「7月も前半から、うだるような暑さが続く異常気象、気候危機を本気で止めていく政治を求める選挙にしていこう」と呼びかけました。
吉良候補は就職氷河期世代の経験から、痛みに寄り添う政治を行ってきたと述べ、若者を使い潰す「ブラック企業」の名前公表や、全国の自治体で広がる給付型奨学金制度の実現など、具体的な成果を挙げました。
大学入学金の二重払い問題について、文部科学省に改善を求める通知を出させたことを紹介。その上で高すぎる大学学費の値下げ、入学金制度の廃止、奨学金の半額減免、義務教育における学用品の無償化などを目指すと述べました。また「3人産まないと教育無償化しない」など、産むことを押しつける政府の方針を批判。子どもを産むかどうかは個人の自由であり、1人目から教育・子育て支援をすべきだと主張しました。
医療費の削減は命切り捨て政治
物価高騰の中での消費税減税や賃金の底上げ、医療従事者の待遇改善の必要性を指摘。政府が医療費を4兆円削減し国民の負担を増やそうとしていることや、終末期医療の自己負担化の動きを「命を切り捨てる政治」だと厳しく批判しました。
政府が子ども医療費無償化に5000億円出さない一方で、軍事費には8・7兆円も出すと指摘。アメリカのイラン軍事攻撃やパレスチナでの虐殺に目をつぶりながら、日本がアメリカからミサイルを買うことが平和への道ではないと強調。子どもたちが「戦争になりませんように」と短冊に書く社会であってはならないと訴えました。

差別・分断を許さない
吉良候補は、一部の政党や候補者が「暮らしが苦しいのは外国人のせいだ」というデマを流して差別と分断をあおっていることを批判。暮らしが苦しいのは外国人のせいではなく、庶民の暮らしに目を向けない自民党・公明党の政治に責任があると主張しました。
また「高齢女性は子供を産めない」「若い女性に働けと言ったのが間違い」などの言説にも反対し、「すべての人が自分の人生を自分で決める権利がある」と訴えました。
山添議員は吉良候補の実績を紹介した上で、国会論戦は与野党の「茶番」という批判に対し、吉良候補の質問が政治を動かしてきたと反論。「吉良さんの粘り強さ、しなやかさ、同時に国民の苦難に徹底して寄り添うという日本共産党の議席だからこそです」と強調しました。
また、「私たちの暮らしが厳しいのは、外国人が増えたからではありません。政治の責任であることは明らかだ。政治を動かしていく本物の力は、自民党政治と正面から対決する政党だ」と主張。「給料が上がらない政治、年金が増えない政治、非正規雇用ばっかり増えている政治、学費が上がり続けている政治を変えていく一票を、日本共産党と吉良候補に託していただきたい」と熱烈に訴えました。
気候危機、人権 だから応援します
演説終了後、吉良候補は、駆けつけた支持者らと写真撮影に応じ、個別の質問にも対応。スマホで吉良候補と写真を撮った都内在住の女性、YUUさん(40)は「気候変動問題でエネルギー政策も出して、しっかり発言しているのは日本共産党と吉良さんなので、応援しています」。FUMIさん(36)は「気候危機の問題は女性やマイノリティー、人種への差別など、さまざまな社会問題とつながっていることが分かりました。声を出せる自分が声を出さないと」と話しました。
2人とも差別的な政党が出てきていることを心配し、人権を大切にしていることも日本共産党と吉良候補を応援する理由に挙げました。