検査拡充 少人数学級 不要の道路中止 都民の願い、早く実現を

共産党都委が都に要請
 日本共産党都委員会、都議団、区市町村議員団は6日、東京都に対し、新型コロナウイルス感染症対策や少人数学級の実現、不要不急の都市計画道路の見直しなどについて申し入れました。都議や都議予定候補、区市町村議員ら70人以上が参加しました。
 新型コロナ対策の申し入れでは、はじめに全都で取り組まれているPCR検査の拡充を求める要望署名7000人分を提出(第3次分)。司会を務めた白石たみお都議が「新規感染状況が高いレベルで横ばいの状況だ。しっかり対策を講じていかなければならない」とあいさつ。インフルエンザとの同時流行が心配される冬に向けて、PCR検査の抜本的拡充と医療体制強化を求めました。

 福祉保健局の雲田孝司次長が、都の取り組みについて説明。「予断を許さない状況が続いているが、万全の体制をとってしっかり対応していきたい」と応じました。
 参加した区市町村議員からも発言が相次ぎました。高齢者施設で行政検査以外のPCR検査(スクリーニング検査)に補助する「区市町村との共同による感染拡大防止対策推進事業」について、前田まい三鷹市議は、自治体からの申請期間の延長を求めるとともに、「感染者が出た場合の影響は、保育園なども大きい」とのべ、対象の拡大を求めました。
 都議予定候補で前日野市議の清水とし子氏は、「日野市では保健所が廃止され、それまでつくりあげてきた地域のネットワークがなくなり、市民の対応は電話での相談が精一杯という状況になった。日野市にも保健所をという声をぜひ聞いていただきたい」と要望。
 同じく都議予定候補(文京区)の福手ゆう子氏は「コロナ禍で減収の中、新型コロナの専門病床を1000床も設置できるのは、都立だからこそだ。独法化は都民が思う病院とは違ったものになる」と訴えました。
 都の担当者は保健所の拡充について、「ご意見はうけたまわりました。今後の検討に生かしていきたい」と答えました。

20人程度の学級に
 少人数学級の問題では、感染予防を進め、子どもたちが安心して学べる環境をつくるために、国基準である40人学級を大きく下回る少人数学級の実施が求められているとし、小中学校の全学年で20人程度の少人数学級などを求めました。
 大橋美枝子江戸川区議は「区内では35人以上の学級が小学校29%、中学校50・7%にのぼっている。少人数学級の方が、教育効果が上がることは知られており、他県では独自に少人数学級が進んでいる。なぜ東京はできないのか」と訴えました。
 さがらとしこ北区議は「コロナ禍のもとで、今までやってきたことと、今やらなくてはいけないことは大きく違ってくる。国の対応は待っていられない。40人(の過密学級)で一日を過ごさないといけない子どもたちの顔を思い浮かべて対応してほしい」と強調しました。
 武藤千里調布市議は「市議会で意見書が全会一致で可決され、区長会や市長会でも要望をあげている。都としてどう受け止めているのか」とただしました。
 都側は「市区町村と意見交換しながら様々なことを進めていきたい」などとのべました。
 また、都市計画道路の問題では、不要不急の都市計画道路の中止を含めた抜本的見直しを求めた他、10月18日に調布市内で外環道トンネル工事の真上で起きた陥没事故を巡って、徹底した原因究明や関係地域の調査を要求しました。

主な申し入れ項目は以下の通り
 ■新型コロナ対策
▽PCR等検査数について1日6万5000件の検査目標の早期達成と実際の検査数も同規模に増やす
▽感染震源地を明確にし、その地域の住民、事業所の在勤・在学者の全体に対するPCR検査等の実施と情報開示
▽医療機関、保育施設、学校などに対する職員、利用者等へのPCR検査実施への補助
▽都立・公社病院の地方独立行政法人化の計画中止、都立直営での充実
▽保健所の職員増員と増設
▽コロナ禍で収入が減少した全病院・診療所、介護・福祉施設への減収補填
 ■少人数学級
▽小中学校全学年の学級を20人程度に
▽区市町村教委や学校の判断で少人数指導加配の教員を活用しての少人数学級実施を認める
▽正規教員を増やし、教育条件を整備
 ■都市計画道路の抜本的見直し
▽国の方針に基づき、事業化路線と未事業化路線の廃止を含めた抜本的見直しをただちに実施
▽不要不急、住民合意が得られない都市計画道路の建設中止
▽外環道トンネル工事の陥没事故の原因究明と工事の影響の徹底調査をNEXCO東日本に求める。外環道計画の即刻中止を求める