主張 都議選の争点 賃上げ

中小企業に1人12万円支援を

 6月13日に告示される東京都議選。同22日の投票日まで1カ月を切りました。

 そのなかで、賃上げを行った中小企業に1人当たり年間12万円を支援するという日本共産党の「緊急提案」に期待と共感が広がっています。

 「お米の値段が昨年の倍」「買い物に行くのが怖い」との声が上がっています。物価高が止まらず、実質賃金は3年連続でマイナス、今年もすでに3カ月連続マイナスです。

 東京都の事業所の98・8%が中小企業・小規模事業者です。物価上昇を上回る中小企業の賃上げが、都民の暮らしにとっても日本経済にとっても、重大な課題です。

 自民党、都民ファースト、公明党が支える小池百合子都知事は当初、賃上げは「労使間の協議で自律的に」決めること、と冷たい姿勢でした。

■都の姿勢を変える

 しかし、日本共産党都議団が繰り返し論戦を行った結果昨年11月、「物価上昇を上回る賃上げなどを後押しすることは必要」と担当部長が答弁(経済・港湾委員会)し、昨年12月の本会議代表質問では「職場で働く方が安心して生活できる環境を整えるため、物価上昇を上回る賃上げ等を後押しすることは重要」と局長が答弁しました。

 今年2月の代表質問ではついに小池都知事から「物価上昇を上回る賃上げの流れを確かなものとしていく」という答弁を引き出しました。党都議団の論戦が都の認識を変化させてきました。

 都は現在、中小企業の職場環境改善のための奨励金事業を実施しています。15のメニューのうち二つを実施した事業所に奨励金を出すものですが、党都議団の提案で、2022年9月補正予算から「賃上げ」が対象となりました。党都議団は奨励金の額や予算の大幅増も求め、25年度から1人当たり年6万円から12万円に増額されました。

 ただし、この事業は審査に時間がかかり支給まで1年以上かかっています。党都議団は昨年12月の代表質問で、岩手県や徳島県のように賃上げだけを要件とするシンプルで使い勝手のよい「中小企業の賃上げ応援助成金事業」の実施を提案し、「緊急提案」にも掲げ、都に実現を迫っています。

■公契約条例実現で

 都が発注する公契約は年間約1兆7500億円に上ります。対象となる企業は約2万1千社で9割が中小企業です。公契約において時給アップなどの待遇改善がされれば、中小企業への賃上げの波及効果は大きく、地域経済の好循環へとつながります。

 そのためにも、時給の下限を定める賃金条項を持つ公契約条例が必要です。実現すれば都道府県レベルで初となり全国に大きく波及します。

 党都議団は条例の制定を繰り返し求め、最低賃金法との関係を理由に条例制定を渋る都を追及。公契約条例により、最低賃金を上回る賃金を払うよう求めることは「問題になるものではない」との答弁を初めて引き出しました。

 都民の命と暮らし、雇用と営業を守るために、物価上昇を上回る賃上げの実現へ、日本共産党都議団の議席確保・前進が絶対に必要です。


(「しんぶん赤旗」2025年5月23日付より)

タイトルとURLをコピーしました