都議の再招致 検討委が要求

東京都議会の自民党会派が政治資金パーティーの収入を政治資金収支報告書に記載せず、都議の手元に留め置く「中抜き」をしていた問題で、元同会派事務局長の鴫原浩氏が中抜きについて「幹事長から説明があった」と述べていることが21日、都議会政治倫理条例検討委員会で公表された文書質問への回答で明らかになりました。
不記載が発覚した2019年12月のパーティー開催時に同会派幹事長で、自身も裏金をつくっていた鈴木章浩都議は、4月の参考人招致で不記載について「(報告書に)載せる載せないという話は一切したことがない」と発言。22年5月のパーティー開催時の幹事長で、自身も同様に裏金をつくっていた小宮安里都議も「(パーティー券の取り扱いは)事務局職員が管理していた」と述べており、鴫原氏の回答書と矛盾しています。
委員会は鴫原氏の参考人招致と、鈴木、小宮両氏の再招致を求めることを決めました。
鴫原氏の回答書によると、19年10月21日、都議1人当たり100枚(200万円分)のパーティー券を渡され、うち50枚分100万円を所定の期日までに会計担当に納入するよう「幹事長から説明があった」「残りの50枚については各議員の意向に委ねるとの発言があった」としています。
パーティー券の追加分についても「会費の半額を納入するよう指示があった」としました。
鴫原氏は「基本方針は当時の都議会自民党執行部(議員)が行っていたと記憶する」「(職員は)会派に指示された作業を粛々とこなしただけであり、中抜きを指示・判断する立場にはな」かったと回答しました。
この日の委員会では、鈴木、小宮両氏と柴崎幹男、三宅正彦両都議が資料の提出要求を拒否したことが報告されました。
日本共産党の白石たみお都議は「裏金づくりが、説明もされないまま秘伝や空気のように伝承されたというのか。各都議が資料提出を拒否したまま幕引きを図ることは到底あり得ない」と述べ、都議の再招致を求めました。
(「しんぶん赤旗」2025年5月22日付より)