都議選2025 希望の都政に

原動力は業者の思い 北多摩1区東村山市・東大和市・武蔵村山市(定数3)尾崎あや子都議

都政は動くを実感

 都議になって12年、都民の世論が後押しになって都政を前に動かしてきたと実感しています。象徴的なのは学校給食無償化を都内全ての自治体で実現したことです。
 都の財政支援が当初2分の1補助だったことで「新たな多摩格差になってしまう」との心配がありました。都に10分の10に引き上げることを求め、昨年9月に無償化に必要な財政の8分の7まで支援することを都が決めました。これで一気に多摩地域でも無償化に足を踏み出すことができたのです。
 同じように都政を動かし、18歳までの子ども医療費無料化、2万510円のシルバーパスの1万2000円への負担軽減も実現しました。補聴器購入補助は、都の計画では「2026年度までに全ての自治体で実施」を目標に掲げていますが、東村山、東大和、武蔵村山のどの市も未実施です。市民と力を合わせて実現させたいです。

多摩格差の解消

 多摩地域出身の都議として、多摩格差の解消に取り組んできました。うれしかったのは、建て替え計画が進む多摩北部医療センター(旧公社病院東村山市)で、建て替えの「基本計画案」に、住民の強い要望を受けて、お産ができる産婦人科を設置することが盛り込まれたことです。
 昨年5月からは、お産はできないもののリスクの高い妊婦を受け入れています。東村山市内にはお産ができる病院がなくなっているので、住民にとって切実で一歩前進です。計画を前倒しして、建て替え前にお産ができるように求めていきます。
 「教職員の婦人科検診が多摩地域で廃止されて困っている」との相談がありました。都内の実態を調査してみると、23区全てで実施されているのに、多摩地域ではわずか14自治体で、廃止が13自治体ありました。自治体職員の婦人科検診も調べたら、23区が100%なのに多摩地域はゼロでした。
 児童生徒1人当たり教育予算が23区の6割程度、保健所や児童相談所も23区に比べ少ないなど、多摩格差はまだまだあります。
 地域公共交通の問題もその一つです。私が活動する地域の都バスは、東大和・武蔵村山を走る「梅70」の路線しかありません。運転手不足によって路線の減便・廃止は各地で起きています。都バスも民間バスも都としてバス運転手の賃金引き上げ、待遇改善への支援、シルバーパスをコミュニティバスや多摩モノレールにも使えるよう求めていきます。

原点を忘れず

 子ども時代を過ごした山形県白鷹町は、冬は屋根の高さの雪に埋もれました。農家の父親たちは冬場の仕事を求めて集団で出稼ぎに行きました。
 中学の社会科の授業で、「なぜ出稼ぎをしなくてはならないのか」という思いを作文に書き、教師はそれをほめてくれて、農家の実態や出稼ぎの背景を教えてくれました。一生懸命働いているのに出稼ぎに行かなければならない社会への問題意識がこのころに芽生えました。大学時代、日本民主青年同盟で学ぶ中で、「自然の流れ」のように日本共産党に入党しました。
 就職した中小零細業者や個人事業主が加盟する業者団体では、「多重債務問題」に取り組みました。出資法ぎりぎりの「グレーゾーン」高金利による融資が、破産や自殺などを招き、社会問題になっていました。懸命に働いているのに、多重債務に苦しめられる業者の人たちと、父の姿が重なりました。
 借り手の責任ばかりが問題にされていましたが、中小企業には貸し渋りながらサラ金に資金を供給している銀行、高金利を放置している政府の責任を私たちは問いました。商工ファンドとの集団交渉、国や都との交渉を重ね、世論の盛り上がりを背景に29・2%だった出資法金利が20%に引き下げられ、グレーゾーン高金利は撤廃させることができました。
 この時、諦めずに頑張れば、都や国を動かせることを学びました。同時に都議会にもっと中小業者の気持ちが分かる人を送りたい。政治を変える歯車になりたい。その気持ちが、今も私の原動力となっています。
 都民にとってより良い方向に政治を動かすことに、わくわくします。この原点を忘れずにこれからも頑張ります。

都民のため、たたかう議席 品川区(定数4)白石たみお都議

 日本共産党都議団の政調会長として、他党との政策協議などの窓口になってきました。
 以前は、共産党の提案というだけで、他会派は協議の対象とせずシャットアウトするような雰囲気がありましたが、3期連続で共産党都議団が議席を伸ばし、各党の議席が拮抗するなかで、都議団の論戦力、調査力をもとにした、道理と根拠のある提案が、複数の会派による共同提案などの共同を広げる大きな力になってきました。
 協議するなかで、心がけてきたのが、一致点を大切に話し合うことです。
 印象的なのが、前期の最後の時期の、子ども基本条例をめぐる協議です。最初、公明党案が提示されましたが、子どもの権利などがきちんと書き込まれていないもので、 各党で修正の話し合いを重ねました。
 考え方の違いも大きく、大変な協議でしたが、子どもの権利をきちんと据えることは各党とも一致できるという立場で話し合い、最後は全会一致で子ども基本条例を可決することができました。
 今期も、全会派一致での条例制定のほか、学校給食費無償化やシルバーパスの負担引き下げなどにおける複数会派による共同提案など、一致点を大事にしながらの共同に取り組んできました。
 そのなかで、大きな力になったのが、2024年の都知事選です。
 都知事選に向けて、政策部会が設置されて、市民や政党、会派が定期的に集まって、政策的な話し合いを複数回、重ねました。都知事選の選挙結果自体は残念なものでしたが、その場での話し合いの努力が、その後、都議会内での共同を広げる、大きな力になったことを実感しています。

無駄遣いを許さず

 この4年間で長く所属したのが、都議会の経済港湾委員会です。
 都庁舎に映像を映すプロジェクションマッピングや、お台場の巨大噴水計画など、小池知事がトップダウンで導入した無駄遣いの多くが経済・港湾委員会の所管です。
 私の政治家としてのスローガンは、「痛みがわかる、だからたたかう」です。都民のために、無駄遣いや不正を許さない、そのための「たたかう議席」だと思っています。
 プロジェクションマッピングの計画は、別団体の実行委員会をつくることで、都庁の意思決定のルールを無視した、完全なブラックボックスのなかで決められました。巨大噴水の計画についても、情報開示請求をしても、知事とどういう話をして決めたのか、その記録すら示されません。
 巨大企業を税金でもうけさせる無駄遣いに対し、共産党の議席の大事な役割であるチェック機能を果たす先頭に立ってきた4年間でした。

定時制高校が原点

 最近、リフレッシュのために、都庁からの帰りにランニングをしています。途中の駅まで6キロほど走って電車に乗ったり、家の近くまで12キロ走ったり、いくつかコースをつくっています。
 すし職人を目指していたので、すしや料理をつくるのも、好きですね。タイを丸々買ってきて、さばいて、熟成の具合によって、味の変化を試したり、料理のレシピも、いろいろ工夫してノートにまとめています。包丁を研ぐのも、無心になれます。夜遅くに仕事を終えた後、ランニングで帰ってきて、包丁を研いだりしています。
 私自身、定時制高校の出身なので、定時制高校の存続、拡充はこだわってきたテーマです。
 「痛みがわかる」の原点が、定時制で過ごした時間です。70歳代の同級生もいれば、障害がある仲間や、不登校や中退を経験した仲間もいる。さまざまな困難、心の傷を抱えた仲間と学んだ4年間が、私の宝物です。だれでも生きる権利があるし、幸せになる権利がある、それを体験として学んだ時間でした。
 学ぶ権利の最後のとりでである定時制を、東京都は7つも廃止する方針を、24年8月に打ち出しました。しかも、その理由は、通う生徒が減ったからというものです。
 定時制の魅力は、少人数で一人ひとりに寄り添った教育ができることです。生徒が少ないから廃止というのは、現場をまったく分かっていません。
 廃止計画を許すわけにはいかないと、都議選でも訴えていきます。今度の選挙は、学ぶ権利を奪おうとする動きとの闘いでもあると思っています。

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