全被害者に全額補償を 生活保護の違法減額

「命のとりで」山添議員迫る 参院予算委

質問する山添拓議員=14日、参院予算委(「しんぶん赤旗」提供)

 日本共産党の山添拓議員は14日の参院予算委員会で、高市早苗首相に対し、国の生活保護基準の大幅引き下げを違法と断じた最高裁判決(6月)を突きつけ、「すべての被害者への全額補償を決断すべきだ」と迫り、「いのちのとりで裁判」原告に直接謝罪するよう要求しました。高市首相は「深く反省し、おわびする」としながら、被害者に直接謝罪するとは言明しませんでした。

 安倍晋三政権は2013~15年、生活保護基準額の最大10%もの減額を強行しました。山添氏は、背景には12年に自民党が発表した「生活保護費10%削減」公約への忖度(そんたく)があったとする地裁判決の指摘に言及。高市氏は当時の自民党政務調査会長だったとして責任を追及しましたが、高市首相は「政府判断として見直しを行った」と無反省に語るだけでした。

 山添氏は、減額の影響は今も続き、生活保護利用者にも、それ以外の低所得者にも影響が及んでいると指摘。減額分の全額補償はせず、原告か原告以外かで補償額に差をつけるなどの厚生労働省の方針が報じられているとして、「最終的には政治決断だ。全被害者への全額補償を決断すべきだ」と首相に迫りました。

 高市首相は「(厚労省の)専門委員会で検討が進められている」などと無責任な答弁に終始しました。

 山添氏は、生活保護の基準は就学援助などの制度にも影響すると指摘。「生活保護基準は多くの人に関わるまさに命のとりでだ。内閣の責任で他制度への影響も全て把握し、すべての被害者に対し被害回復をさせる措置を取るべきだ」と求めました。

 高市首相は「厚労相とよく協議する」と答弁。山添氏は「生存権侵害は極めて重い問題だ。社会保障削減路線が断罪された。転換すべきだ」と求めました。

(論戦ハイライト)

(「しんぶん赤旗」2025年11月15日付けより)

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