党非公認決定後もポスターに「自民」

不記載発覚の都議候補 裏金づくりに無反省

三宅茂樹都議と朝日健太郎参院議員の連名ポスター=9日、東京都世田谷区(しんぶん赤旗提供)

東京都議会の自民党会派「都議会自民党」の政治資金パーティー裏金事件に関与したことで、同党が都議選で公認しないとした複数の候補者が「自民党」と明記したポスターを貼り出していることが10日までに分かりました。いずれも同会派の幹事長経験者で、非公認は都民の厳しい批判を受けての対応です。にもかかわらず、自民党を名乗って活動を続けることは有権者をだます行為であり、裏金づくりに無反省な姿勢が示されたといえます。(丹田智之)

鈴木章浩都議と高市早苗・前経済安保担当相の連名ポスター=9日、東京都大田区(しんぶん赤旗提供)

都議選には都議会自民党の幹事長経験者6人が無所属で立候補を予定しています。非公認が決まってからも同党のポスターを街頭などに掲示しているのは、三宅茂樹議員(世田谷区)と鈴木章浩議員(大田区)です。

国会議員と連名

いずれも自民党国会議員との連名ポスターを貼り出しています。世田谷区には三宅議員と朝日健太郎参院議員、大田区では鈴木議員と高市早苗・前経済安全保障担当相や平将明デジタル担当相との連名ポスターがあちこちに掲示されています。

いずれのポスターにも目立つ大きさで「自民党」と書かれており、有権者には非公認と分からないようになっています。

裏金事件で都議会自民党は、2019年と22年のパーティーで都議16人、元都議ら10人の計26人が総額2873万円を不記載にしていたと公表。東京地検特捜部が会計担当の職員を政治資金規正法違反(虚偽記入)の罪で略式起訴しました。

都議らはパーティー券の販売ノルマを超えて集めた分の収入を同会派に納めず、手元に残す「中抜き」の手法で裏金を作っていました。三宅議員は251万円、鈴木議員は132万円の不記載が発覚しました。

公認候補のよう

島嶼(とうしょ)部で立候補する元幹事長の三宅正彦議員も332万円の不記載が発覚し、同党の公認が得られません。日本共産党の山田忠敬大島町議によると、自民党の石原宏高衆院議員との連名ポスターが貼り出されています。山田町議は「一般の有権者には公認候補のように見える」と指摘します。

自民党派閥の裏金事件では、昨年の総選挙で公認を得られなかった8人が自民党選挙区支部の代表を辞任せずに立候補。選挙ポスターに「自民党支部長」と記載した候補者もいました。自民党本部は非公認候補の支部に対し、公認候補と同額の政党助成金2000万円を提供。本紙が報じたことで大問題になりました。

(「しんぶん赤旗」2025年5月11日付より)

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