都議選激戦 知事与党か市民目線か

文京区(定数2) 福手ゆう子候補(現)

地下鉄駅前で区民に訴える福手ゆう子都議=4月、東京都文京区(しんぶん赤旗提供)

 日本共産党の福手ゆう子都議が2期目を目指す文京区。福手氏のほか、都民ファーストの会の現職と自民元職が立候補を表明。定数2を、前回、前々回と同じ顔ぶれの3人が争います。石丸伸二氏が立ち上げた地域政党「再生の道」は候補者を選定しましたが、本人が辞退しました。

 4月末の午後、福手氏の姿が同区千駄木地域の住宅街にありました。この日は金子てるよし区議とともに住民と対話。暮らしの中での困り事などを聞いて回りました。「行政に相談に行っても、既存の支援制度のことすら教えてもらえなかった」「発がん性などが指摘されている有機フッ素化合物(PFAS=ピーファス)が井戸水から検出されているのに、区の取り組みが弱い」などの声が出ました。午前と午後で計20人と対話しました。

 福手氏は前々回の2017年選挙で、小竹ひろ子前都議の後を受け、「福祉の心で都政改革」を掲げて挑戦。2万6782票の支持を得ましたが、215票差で惜敗しました。この時は公明の推薦を受けた都ファ候補が4万2185票で1位、自民候補が2位で当選しました。

 しかし前回の21年は福手氏が3万815票に伸ばしてトップ当選。都ファ候補が3万77票で2位につけました。現職の自民候補は公明の推薦を受けましたが、2万5097票で落選しました。

 その自民候補は落選の直後から、選挙区内に「捲土(けんど)重来」と大書きしたポスターを貼りました。今年に入ってからは地元選出の自民党国会議員との「2連ポスター」を貼り出しています。4月半ばには幹線道路沿いに事務所を開きました。

 地元の業界団体の会合に出席したり、自身の地域後援会を相次いで発足させたりする様子をSNSで発信しています。

 都民ファの現職は今年2月、第2会派としては異例の議長に選出されました。都議会自民党の裏金問題を受け、同党の前議長が辞任したため。新聞折り込みしたビラでは、25年度予算案に自党の政策が「数多く盛り込まれました」とするなど、知事与党としての実績をアピールします。

 福手都議も公式LINEで、街頭演説の様子などを連日、発信。都議会で、マンション高層化計画で教育環境や住環境などが悪化する可能性を3年前から取り上げてきたことなどの実績を挙げ、「一人ひとりの暮らしと人権が守られる東京へ」を掲げます。ポスター約700枚も貼りきりました。長島正人・党地区委員長は「過去の票数などからみても4万5000人規模の支持拡大がどうしても必要だ」と気を引き締めます。(安川崇)

(「しんぶん赤旗」2025年5月5日付より)

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