「自由な時間足りてない」─社会主義にうなずき肯定街角トーク 都内2カ所
「自由な時間が足りてない」「なんで共産主義と自由なんですか?」――日本共産党中央委員会が東京都内2カ所で行った「共産主義と自由 トワイライト街角トーク」は、“意外なほど”若い世代と社会主義・共産主義の対話が弾みました。
5日の調布市は田村智子委員長、8月27日の中野区は山添拓参院議員がメインスピーカーとなり、「共産主義とは」「みんなの自由な時間を取り戻そう」と道行く人たちとガッツリトーク。その周りでシールアンケートのボードを持った党員と対話する若者のグループがあちこちで生まれました。
田村委員長@調布市
カール・マルクスの顔がひときわ目をひく『Q&A 共産主義と自由』(志位和夫著)の看板に興味を示した10代2人組がいました。1人が「この人誰?」と尋ね、もう1人がすぐに「マルクスだよ」と答えました。
2人から「なんで“共産主義と自由”なんですか」と質問が次々と飛び出しました。看板を持っていた党員は、低賃金・長時間労働でお金を使う時間も自由を楽しむ時間も日本で働く人たちは奪われている、私たちはみんながお金も「自由な時間」も取り戻して一人ひとりがのびのびと発展する社会をめざしていると話しました。「そうなんですか」と相づちを打って聞いていた2人は、そろって田村委員長の話を聞きに聴衆の輪に加わりました。
「自由な時間は足りていない」と答えた食品製造業で働く20代は「給料が少ないから残業で稼ぐしかない。だいたい1日10時間以上働いています。体がもちません」と訴えます。党員が「自由な時間があったら何がしたいですか」と聞くと「睡眠時間を増やしたい。もっと自由な時間がほしい」と即答しました。
「給料が上がっている実感はない。給料が上がったらもっと仕事を頑張れるのに」と話した20代の社会人は、資本主義は頑張れば報われると思う一方で、貧富の格差を生むというイメージも持っています。「共産主義って自由と平等をてんびんにかけるのでは」と疑問を投げかけました。
党員は「人間の自由はマルクスが生涯かけて追っていたテーマ。共産主義社会は人間の個性が開花する社会なんです」と答えました。「そうなんですね。自由な時間は絶対あったほうがいい」と20代の社会人。
「マルクス史観という言葉を授業で聞いてビビッときて、『共産党宣言』を読みました」と言う高校1年生は「赤旗」見本紙を受け取り「初めて見た」とうれしそう。「早く選挙権がほしい。共産党に投票したい」
「お金がなくて大学に行けないって悲しい。入学金も受験料も高すぎる」。イラストレーターをめざしている学生(20)は、自由な生き方を阻むものがあると切々と語りました。
この学生は、政党の政策を調べたり、手あたり次第本を読んだりして知識を得るのが楽しいと話します。中国や旧ソ連の影響で“社会主義・共産主義は自由を抑圧する社会”のイメージがあることに「日本共産党が中国やソ連と一緒って言われるのって偏見ですよね。違うって知っていますよ」と笑顔を見せました。
『Q&A 共産主義と自由』が10冊売れました。
山添参院議員@中野区
仕事帰りの真ん中世代の女性がシールアンケートの「ジェンダー平等」の欄にシールを貼りました。
「NHKのドラマ『虎に翼』を見ている。格差を感じる。ドラマはそれを柔らかく表現している。現実はもっと厳しい」と女性は言います。
資本主義をどう思うか? 女性は、「否定的」です。社会主義をどう思うか? …「よくわからない」。
シールアンケートのボードを持っていた党員が社会主義・共産主義について話しました。「自由な時間」と「人間の自由」をもっと広げようという未来社会を目指している、「自由な時間」があれば男性も女性も子育てする時間ができる、文化・芸術とか読書とか自分をもっと自由に発展させることができる、そんな社会です。
うんうんと聞いていた女性は、すんなりとシールアンケートの「社会主義 肯定的」の欄にシールを貼りました。さらに「自由な時間」についてわかりやすく書いた本があると聞くと「買って行こうかな」。『Q&A 共産主義と自由』を購入しました。この場で同書籍が3冊売れました。
党員のシールアンケートには、「社会主義 肯定的」に若い世代の6人がシールを貼りました。「否定的」はいません。「資本主義」は「否定的」が4人、「肯定的」が1人。初対面の若者と共産主義について対話が弾んだことに党員は「共産主義と自由の対話、やってみないとわからないものですね」とうれしそうに話しました。
(「しんぶん赤旗」2024年9月8日付より)