教育環境 どの子にも等しく 願いかなえる蓮舫候補
他自治体より財政の豊かな東京都。公共施設が整備され、医療や教育なども住民の要求で少しずつ負担軽減されてきました。しかし、財政力のある23の特別区に比べ、多摩地域と呼ばれる市町村は取り残されています。「多摩格差」と言われ、小池百合子知事が解消を公約していました。実態は―。(小梶花恵)
23区では各区と都の補助で通院医療費の窓口負担が18歳まで無料です。目黒区に住むある保護者はアトピー性皮膚炎の症状を持つ高校2年の子を3カ月に1度通院させていますが、その治療費を一度も負担したことがありません。以前、受診時に健康保険証を忘れ、診療費と薬代10割の2万円を立て替え払いしたことがあります。「驚いた。3割負担なら6千円だから重い」
子どもたちが「おいしい」と楽しみにしていた給食は、月額5000円前後でしたが、昨年10月から小中学校とも無料になりました。
目黒区から北西25キロの東村山市には、学校給食はありません。外注の300円の「スクールランチ」を予約するか、弁当を持参します。親が予約漏れに気づかずにいると、子どもは昼ごはんが食べられません。予約せず弁当を忘れた子どもには、数年前まで教員が防災食の乾パンを渡していました。
ある保護者は「よく忘れて先生から乾パンを渡されていた子どもは、同級生から『乾パンマン』と呼ばれていた」と話しました。現在は乾パンの支給もなくなったといいます。別の親は予約を忘れ、カップラーメンと水筒に入れた熱湯を持たせました。スクールランチの冷たいカレーライスに不満だった子どもが温かい食事を欲しがったためです。
日野市には市内の食材を使い、自校で調理する給食がありますが、食材費は自己負担です。小学生2人の給食費1年分をまとめて払うと11万円。保護者は、「子どもは給食をおいしいと言っているが、負担は大きい」とため息をつきます。市が食材費を全額負担すれば都が半額補助しますが、日野市は残り半額を負担する財力がありません。
23区と多摩地域を比べると、自治体の歳入に格差があります。計算すると、6~15歳の子ども1人あたりの教育予算は、目黒区が約93万円に対し、東村山市は約62万円、日野市は約58万円でした。
日本共産党東京都議団は市町村への交付金の増額を求めてきましたが、小池知事は応じません。
都が全額支援を
尾崎あや子日本共産党都議(北多摩第1選挙区)の話
ほかの野党と共同で給食費の全額を補助する条例案を出し、立憲民主などが賛成しました。都民ファーストや自民・公明の反対で成立しませんでしたが、世論の広がりで、給食費の半額補助が決まりました。
ただ、多摩地域では都が全額支援しないと実施できない自治体があります。
どこに住んでいる子どもにも、環境を等しくするのが都の責任です。蓮舫候補は「七つの約束」で、多摩地域も給食無償化を公約しているので心強いです。
(「しんぶん赤旗」2024年6月30日付より)